全国の過半本部が企画
全羅南道麗水市で開催される「2012麗水世界博覧会」の開幕まであと3日と迫り、在日同胞社会でも徐々に期待が高まっている。民団新聞が全国の民団49地方本部にツアー実施の計画を確認したところ、7日現在、約半数の25地方本部から「募集中」「予定あり」との回答を得た。団員ばかりか、韓国会館で韓国語を学ぶ日本人らも参加を計画している。
計画によれば6〜7月に3泊4日の日程で、費用は8、9万円前後といったところが多い。ツアー規模は20人ほど。民団兵庫では神戸市内5支部で独自のツアーを組み、「最大で80人ほど」を見込んでいる。
悩みは宿泊先の確保。開催地の麗水市とその近郊ではホテルの絶対数が少なく、民宿のようなところでも料金が通常より高め。いまからでは予約そのものが困難だ。民団千葉はソウル市内で宿泊し、金浦―麗水間を航空便で往復する。
去年から計画していたという民団群馬でも正式決定が4月にずれ込んだため、「どうせ麗水近くのホテルはとれない」と、ソウルからKTXを利用することになった。商工会議所と婦人会、青商と合同でツアーを組む民団栃木も、釜山市の海雲台を宿泊拠点にして麗水入りする。
一方、九州は博多から麗水港までの高速船JRビートルが運航しているだけに、恵まれている。民団福岡では6月から7月にかけて2つのツアーを実施する計画だ。6月は全羅南道周遊と組み合わせた3日間。さらに7月にも、全羅南道長興水まつりや釜山観光を組み込んだ3泊4日の旅を予定している。
佐賀県は全羅南道と友好交流協定を結び、唐津市と麗水市は姉妹都市の関係。自ずと自治体の麗水世界博広報にも力が入る。民団佐賀は「とにかく県とダブルで頑張っている」。民団大分でも団員サービスとして、団費完納者には本部から旅行費用の一部として5000円を負担している。
このほか、民団長野と熊本では、ハングル講座の受講などを通して関係の深い日本人を引率していく。また、滋賀では県日韓協が60人規模で独自にツアーを組む。
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金忠錫市長アピール…広報大使に黒田福美さんら
全羅南道・麗水市が4月28日までの5日間、東京・新宿の韓国文化院で世界博の広報展を行った。初日は金忠錫市長も参加。広報大使の任命式やK―POP祝賀公演などで盛り上がりをみせた。
「待たない・並ばない」をモットーとする麗水博は、当日の再入場が可能。市内バス、シャトルバスがすべて無料のため、市内観光も思いのまま。
広報大使に任命された黒田福美さんは「350もの小さな島々をもつ麗水は韓国のナポリと呼ばれ、自然美と山海の珍味の宝庫。Big―Oという巨大な輪が噴水によって銀幕となる様子は芸術的。また、IT先進国が自然と共生していく姿が素晴らしい」と語った。
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全南道民会でも…東京と大阪
東京と大阪の全羅南道道民会でも郷土での開催だけに、民団に負けない意気込みを見せている。
東京からは早くも11日に第1陣が出発。6月には湖南郷友会や新規定住者の韓人連合会などにも呼びかけ、最大80人規模のツアーを予定している。尹清一副会長(民団世田谷支部支団長)は、「国レベルの博覧会だし、できれば飛行機をチャーターできるぐらいは集めたい」と話す。
また、大阪は7月出発の予定。道民会と大阪韓商が協力してツアーを組み、民団にも参加を呼びかけている。
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105カ国参加 麗水世界博
5月12日〜8月12日までの3カ月間、「生きている海、息づく沿岸」をテーマに全羅南道麗水新港一帯で開催。日本をはじめ中国、オーストラリア、タイ、シンガポールなど105の国と10の国際機構が国際色豊かな展示を競う。水上に建つ複合海洋イベント空間「The Big―O」では先端的マルチメディアショーや、世界的な舞台芸術、国内外トップスターによるコンサートも繰り広げられる。内外から観客800万人を見込む。
(2012.5.9 民団新聞)