徐湊教 対外経済政策研究院 先任研究委員
新海洋文化の夢提示
「未来の宝庫」との共存探る
参加104カ国
世界104カ国と10の国際機関が参加した麗水エキスポが8月12日までの3カ月間、全羅南道の麗水新港一帯で繰り広げられている。人類相互間の理解と福祉向上、人類の未来ビジョンの提示を目的とするエキスポは、一般の貿易博覧会とは区別される。
エキスポは参加国の総合広報を目的とした世界規模の博覧会で、参加単位も個別企業ではなく国である。このような理由からエキスポを「経済・文化五輪」と称し、オリンピックおよびワールドカップとともに世界3大祝祭と呼ぶ。
麗水エキスポは国際博覧会機構が公認する世界博覧会であるが、開催意義がいささか異なる。なによりも、韓国が世界に堂々と人類の懸案問題を提示し、合わせて解決策を論議する主体となる点だ。今回のテーマは「生きている海、息づく沿岸」。
海洋汚染の深化、海洋生態系の破壊、海水面の上昇など、海洋問題は世界が直面する普遍的問題である。このように海や沿岸と関連した人類共同の課題に対する代案を見いだし、海洋環境の新たなビジョンと新たな海洋文化を提示することが、麗水エキスポのもつ大きな意味である。
海洋は依然として地球上の人類の未開拓地であり、未来の宝庫だ。麗水エキスポは海洋と沿岸の価値および意味を新たに認識し、気候変化や生態系破壊など人類の懸案課題を解決する契機を提供し、同時に持続可能な海洋利用のため国際社会の共存と協力を図るべく、世界的な論議の場を提供する。
これまでおざなりにされがちであった国内海洋観光産業と海洋科学技術の発展も、麗水エキスポの開催を通じて期待されよう。また、海洋レクリエーションや海洋文化など、海洋観光産業の発展に向けて多様な施設が設けられる。
また、海洋エネルギーの活用や海洋汚染の除去など、海洋先端科学技術開発への国家的関心や投資も増える。こうした新海洋産業の育成を通じて、低炭素グリーン成長が実現されるのは言うまでもない。
麗水エキスポは南海岸地域における経済発展の起爆剤として、国家の地域均衡発展にも大きく寄与する。閑麗海上国立公園や梧桐島のような秀麗な自然景観を基盤に、麗水および南海岸を世界レベルの海洋文化や観光レジャーベルトとして開発する契機となる。特に、21世紀の新たな海洋文化の震源地であり、世界的な海ルネサンスの発生地として麗水の名を全世界人の胸中に刻み込むいい機会となろう。
付加価値創出も
世界の100を超す国々が行う先進海洋技術に関する発表は、未来海洋環境を論議する場となる、麗水エキスポの国際的効果も期待される。
博覧会場の建設はもちろん、会場までの航空や鉄道、道路、各種便宜施設および宿泊施設などの建設を通じて、全国的に約12兆2000億ウォンの生産誘発効果が期待される。約7万9000人分の雇用が新たに生まれ、最終的に5兆7000億ウォンの付加価値が創出すると推算されている。
12年の全羅南道予算総額は5兆3500億ウォンであるが、麗水エキスポ3カ月間のイベントを通じて、年間予算に匹敵する付加価値が生まれる。のみならず、経済的に数値化が難しい港湾都市麗水および韓国の広報やブランド価値の上昇も、それに劣らないであろう。
いまや韓国は88ソウル五輪と02年サッカーW杯に続く麗水エキスポの開催により、世界3大祝祭すべてを開催した国となった。88五輪とW杯4強神話で世界を驚かせたわが韓国。統一新羅時代の海上王・張保皐の遠大な夢と気性が、麗水エキスポを通じて一気に噴出されることを期待したい。
(2012.5.23 民団新聞)