北韓の急変視野に…「成功の歴史」をどう継承
大韓民国の第18代大統領選挙まで7カ月を切った。前哨戦に位置づけられた第19代国会議員選挙(4月11日投開票)で、与・野党の得票率が拮抗したことからも、激戦が予想されている。
波乱に富む大統領選挙
韓国の政情は今後、「大選走者」=候補者の動静を中心に目まぐるしく変転する。各候補(予定)者の支持率がひっきりなしに報道され、検証という名のネガティブ・キャンペーンもすさまじくなっていく。
過去には、当選確実と目された候補者が自身や身内のスキャンダルで敗北したかと思えば、彗星のごとく現れてあれよあれよと言う間にトップの座に駆け上がった候補者もいる。世論が過敏に動きやすい韓国の大統領選挙は「何が起きるか分からない」と言われるほど波乱に富む。
日本で永住権をもつ民団団員ら在外国民は、こうした状況について行けず、戸惑うことも多くなるに違いない。それにもかかわらず、早め早めに対応しなければならないのは辛いところだ。
この大選に1票を投じようとする在外国民は、7月22日から10月20日までの間に、在外選挙人登録を済ませなければならず、名実ともに有権者となったうえで、12月5日から10日までの6日間で投票を終えなければならない。
在外選挙人には、最終日の10日に投票した場合でも、国内有権者の投票日までには9日間の空白がある。その間にいかなる事態があろうと、自分の判断を修正することはできない。悔いのない1票を行使するために、在外選挙人は国内の有権者以上に高い問題意識を求められている。
◆資質が国を左右
韓国大統領の任期は1期5年限り。権限も米・仏・ロほどには強くない。しかしそれでも、大統領制国家だ。短い任期中に権限を最大限行使し、実績を上げようと試みるだけに、国の在り方は大統領の理念・資質によって大きく左右される。政治・社会風土を変え、時代を画すほどの影響さえもたらすことがある。立法・司法の2権や言論のほか急速に力をつけた市民団体など、大統領の政策を検証・牽制し、修正を迫る力が強化された現在でも、その本質は変わらない。
韓国ではかつて、大統領制の弊害が問題となり、日本のような議院内閣制の導入が最大争点になったこともある。しかし、こうした見解は主に2つの理由によって力を得るに至らなかった。
1つは、独裁体制を引き締めつつ対南撹乱・挑発を繰り返す北韓と対峙している以上、国政トップには、その北韓に即断即行で対処できる強力な権限が必要とする視点である。もう1つは、国家最高指導者は直接選挙で選ぶべきだとする国民の意識だ。
韓国の大統領制は、功罪の「功」の比重が大きかったと評価できる。よく指摘されるように、第2次世界大戦後の独立国家で、産業化と民主化を成し遂げ、世界で確固たる地位を築いたのは韓国をおいてほかにないからだ。民族分断の重荷を背負い、6・25韓国戦争で国土を焦土とされたことまで合わせ考えれば、なおさらのことである。
しかし、それはあくまでこれまでのこと。2000年の金大中大統領による6・15南北共同宣言、2007年の盧武鉉大統領による10・4南北共同宣言に見られるように、国民的合意を得たとは言えない状況下で、大統領権限をもって対北宥和政策に大きく踏み込み、禍根を残した例もある。
両大統領の治世全般については、97年末のIMF外貨危機を乗り越えたこと、FTA(自由貿易協定)の拡大路線を展開したことなど、韓国の世界化戦略を引き継ぎ前進させた功績も大きい。しかし、こと対北政策については、核など大量殺戮兵器の開発に狂奔する北韓独裁を増長させ、従北勢力を増殖させて、韓国社会に抜き差しならない理念葛藤の地雷源を埋め込んだ。
◆地殻変動の中で
2007年の第17代大統領選挙で李明博候補が圧勝した背景には、2期10年におよんだ対北宥和政策に対する修正要求があった。韓国に正常化バネが働くだけの体力が残っていた。次はどうか。
対北政策は独立して存在するわけではない。貧富の格差拡大などにともなう社会的な不満と連動する。12月大統領選挙の争点は様々でも、その根っこでは対北政策をめぐる対立が先鋭化する。
北韓世襲独裁の3代目政権は、改革・開放に舵を切って韓国をはじめとする国際社会の支援を受けない限り、いつ、いかなる急変事態に見舞われても不思議でない。2013年の2月25日から2018年2月24日までを任期とする次期大統領は、分断構造が明らかな地殻変動期にあるだけに、歴代で最も重要な時代を担う。
第18代大統領選挙は韓国の興亡をかけた決戦と言われる。岐路に向かう韓国の、深層に分け入っていく。
(2012.5.30 民団新聞)
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