エッセイ集 韓国で出版
在日同胞の金昌鎮さん(68、雅号・冷泉)のエッセイ集が、「韓国人が忘れていた古き良き時代の義理、人情、習慣、遊びなどを思い起こさせてくれた」と評価され、今年1月、韓国で発行されている『随筆時代』の新人賞に選ばれた。
金さんのエッセイを読んで感動した利川市在住の小説家が、金さんに代わって応募したもの。受賞をきっかけに関係者から出版を勧められ、4月に『동경에서보내는찬샘이야기(東京から送る冷泉の話)』として送り出した。
金さんは結婚を機会に40年前、利川市から渡日。日本で暮らしながらいつも故郷を思い、民俗的な風習を大事に生きてきた。01年には神奈川県立白山高校と利川第一高校との姉妹校提携に尽力。こうした韓日の懸け橋的な功績が認められ、3年前に利川市の名誉市民にも選ばれた。また、いち早く大倉集古館所蔵の利川五重塔の返還運動を提起したことでも知られる。
金さんは、「自分が生きてきた痕跡を残したいと書いてきた。昔はこういうことがあったんだよということを、若い人に伝えられたら」と語った。
(2013.5.8 民団新聞)