【釜山】在日同胞の考古学者で、歴史学者でもあった故李進熙さんの1周忌追悼展および図書寄贈式が4月15日、国立釜山大学校内の韓国民族文化研究所資料情報室前で行われた。同研究所には夫人の呉文子さんが昨年夏に寄贈した故人の蔵書7000冊が、「李進熙文庫」として収納されている。
釜山大学教授で同考古学博物館の館長でもある申敬博士が、弔辞の中で、親しかった故人の業績を紹介した。また、金燮総長も参列し、追慕辞を述べた。また、呉さんには韓国民族文化研究所の金東哲所長から感謝牌が贈られた。
最後に長男の李明浩さん(49)が、「李進熙文庫」の開設に尽力した申博士、金所長、および蔵書の分類整理にあたった釜山大学の関係者らに感謝の言葉を述べた。
寄贈された図書の中には故人が専攻した古代史や倭館、通信使など、近世韓日関係史研究に役立つ資料が多く含まれている。
生まれ育った故郷に近い釜山大学校への蔵書寄贈は故人の生前からの願いだっただけに、呉さんは、「夫の血と汗の結晶であり、長年大切に読み込んで手垢のついた資料が、これからも若い研究者たちに利用されるなんて、考えただけで胸がいっぱい」と喜びを語っていた。
追悼集も発刊
故人とゆかりの深かった人たちが生前の想い出をつづった追悼集『追想 李進熙』(同刊行委員会編、223ページ)がこのほど、できあがった。発起人は朝鮮近代史、思想史研究家の姜在彦さん、考古学者の大塚初重さん、京都大学名誉教授の上田正昭さんら6人が務め、50人以上が執筆した。
(2013.5.8 民団新聞)