「在特会」などによる暴力的、脅迫的デモに対しても、日本政府は、「現在の日本が人種差別思想の流布や人種差別の煽動が行われている状況にあるとは考えていない」。今年1月、国連人種差別撤廃委員会に提出した人種差別撤廃条約の実施状況に関する「第7回・8回・9回政府報告」の中で明らかになった。
これについて「人種差別撤廃NGOネットワーク」(事務局は反差別国際運動日本委員会)は17日、参議院議員会館で開かれた「議員・政府・NGOの意見交換会」で、「個人又は団体による人種差別」にあたるのではないかと迫った。
対応した法務省関係者は、「憂慮に堪えない」「はなはだ残念」としながらも、憲法で保障された「表現の自由」との関連から、「どこまで踏み込めるのか、悩ましい」と答えるにとどまった。今回の報告書への記載内容は「苦渋の決断」だったと、胸の内を明かした。
社民党代表の福島瑞穂参議院議員は、「総理と法務大臣が懸念を表明するほどの事態なのに止まらない。どうしたらいいのか。チエを絞って」と法務省側に呼びかけた。
(2013.5.22 民団新聞)