在日韓国科学技術者協会(在日科協、洪政國会長)は12日、東京・神田の学士会館で創立30周年記念式を行った。
日本各地の大学教授や大学院生、民間研究所研究員、韓国からの留学生ら約100人が出席し、祝った。
洪会長は「1983年10月の設立以来、在日科学技術者のネットワークを通じて、在日社会や母国科学技術の発展、韓日間の交流などに尽くしてきた。科学技術立国をめざす韓日両国の懸け橋的存在として、最先端分野で活躍する若手同胞科学者を支援しながら次の30年に向けて飛躍したい」とあいさつした。
李丙駐日大使は「科学こそ国家発展の宝。朴槿恵政府も科学技術の発展を国政の中心にすえている。特に隣国日本で活動する皆さんの役割が重要だ。多様な学術交流を通じて成果を挙げることを望む」と激励した。
韓国科学技術団体総連合会の趙完圭名誉会長は「1960年代、韓国が貧困から抜け出し経済成長を実現するには、科学技術の振興が必要だと判断した。当時から、在日同胞らが母国の発展に尽力してくれたおかげで、奇跡を成し遂げることができた」と感謝しながら、先輩の志を若手科学者が継いでいくよう希望した。
元東京大学総長で文部大臣だった有馬朗人氏は、「これからはアジアの時代。日本、韓国、中国が協力して国際研究センターを創設するためにも、大学・研究所間の交流が大切だ」と、在日科学者の役割に期待感を示した。
民団中央本部の呂健二副団長は「若手の科学者が輩出し、頼もしく思う。3・4世の次世代に夢と希望を与えるためにも民団との協力が不可欠だ。折しも、ノーベル賞の季節。同胞からノーベル賞受賞者が出ることを願っている」と述べながら、民団からの祝賀金を洪会長に手渡した。
「在日科協の30年の歩み」を映像で振り返った後、朴権煕(故)、金在河(故)、張甲淳、金鉉佑(故)、李相茂、鄭漢晟、金海坤の7氏に功労賞が贈られた。
なお、式典に先立ち、呉世正ソウル大教授、有馬朗人氏がそれぞれの国の「基礎科学研究の現状と展望」について、また趙完圭・元教育部長官が「奇跡創出の国・韓国 科学技術への期待」と題して講演を行った。
(2013.10.16 民団新聞)