江戸時代の朝鮮通信使にスポットをあてた「特別展」が、ゆかりの長崎市と広島県福山市で開催されている。韓日両国の関係が悪いなか、当時の善隣友好に思いを馳せてほしいとの願いを込めた。
韓日交流の実像を対馬藩の記録から
長崎歴史文化博物館
【長崎】長崎市の長崎歴史文化博物館で、江戸時代に対馬藩が一手に担った韓日交流の実像を双方の資料で紹介する特別展「対馬藩と朝鮮通信使」(主催=長崎県、同館、釜山博物館)が、10月26日から始まった。
対馬藩の古文書類「宗家文書」のうち、特に貴重な1万7000点が重要無形文化財に指定されたのを記念しての催し。同文書のほか、朝鮮貿易を生命線とした対馬藩が、国交維持のために偽造した朝鮮国王の国書や印章のほか、華やかな朝鮮通信使を約350体で再現した韓国伝統の紙人形など、約200点を公開している。
対馬藩は江戸幕府の命を受け、朝鮮王朝との間で国交回復交渉を担った。国交回復が実現してからは朝鮮通信使の受け入れ窓口となり、善隣友好外交・貿易の面で重要な役割を果たしてきた。
前日の開会式と内覧会には民団長崎本部から金亨道団長が出席。「平和・善隣友好を象徴する朝鮮通信使精神を21世紀に呼び起こし、誠信外交で韓日両国民の友好交流が限りなく発展されることを期待したい」とコメントした。12月15日まで。一般900円、高校生以下無料。同館(℡095・818・8366)。
(2013.11.6 民団新聞)