【神奈川】日雇い労働者の集まる街、横浜市寿町で居酒屋を経営したり、従業員として働く新定住の韓国人が集まり19日、「在日韓人寿町相助会」(金桂善会長、63)を発足させた。
活動の柱は寿労働センター前で月1回行う炊き出し。会員がキムチや春雨、チヂミなどの得意料理を持ち寄り、炊きたてのご飯とともに提供する。かつては港湾荷役労働者の集まる町としてにぎわった寿町も、いまや高齢化や不況、経済構造の変化で「福祉の町」に変わっている。金会長は、長く商売させてもらっている「町への恩返し」だという。会の発足を呼びかけたのは、町内で小さな居酒屋を経営する鄭載仁さん。
鄭さんは貧しい労働者に無償で食事を提供したり、体を洗ってあげたりするなどのボランティア活動を10年以上続けている。こうした活動は、韓国から日本人のもとに嫁いできた鄭さんと同じ境遇の夫人たちの共感を呼び、会の発起人に名前を連ねていった。メンバーは現在、合わせて20人ほど。
資金は全員が月5000円ずつ出しあってプールしていく。総務担当の崔珠香さん(58)は「半年すれば資金も貯まる。そしたら炊き出しを本格的にスタートさせたい」と話す。このほか、会員の冠婚葬祭時にはお互いに助け合うことも確認した。寿町の住人は約5600人といわれている。このうち、外国籍者は1割ほど。
(2014.2.26 民団新聞)