冷え切った韓日関係を民間の力で打開しようと、両国共同で放映するチャンネル「We are the world channel」が、実現に向けて動き出した。14日にはまず、日本側の運営主体となる一般財団法人日韓共同チャンネル推進機構が都内で立ち上がった。早ければ6月から韓国と日本の文化・観光の魅力を、インターネット放送やネットの動画サイトを利用し、双方の言語や英語で世界に発信していく。韓国側も年内の発足を見込む。
「We are the world channel」
計画では韓国語と日本語で両国の交流イベントや文化・観光情報、旅番組などを配信していく。また、一般の視聴者も自由に投稿できる。24時間365日休まず放送することも可能だ。
日本側推進機構の中心となった原田令嗣さん(61、元衆議院議員・文部科学政務官)が日本と韓国ふたつの言語で発信する放送局をつくろうと考えたのは一昨年のこと。都内で民間の文化交流イベント「日韓交流おまつり」を見たのがきっかけだった。
「日韓の歌や伝統芸能が次々に演じられ、市民が拍手している姿に感激した。イベントは1年に1回だが、民間レベルでの交流は毎日のように行われている。それを表に出そうと思った」
一方、韓国側の推進役となっている鄭求宗さん(韓日文化交流会議委員長、東西大学教授・日本研究センター所長)は、ドイツとフランスが長年の紛争による不信を克服し、相互理解と交流を図るうえで大きな役割を果たした共同の放送局「ARTE」に早くから興味を示し、ドイツ人の編成部長から直接、その仕組みも聞いていた。
鄭さんは韓国側に、原田さんは日本側に支援を呼びかけた。ふたりの地道な働きかけが実り、昨年11月の韓・日議員連盟合同総会では「推進」で合意し、共同声明にも盛り込まれた。
日韓共同チャンネル機構設立記念式には、民団中央本部を代表して呉公太団長と呂健二副団長も出席した。この日、代表理事に選ばれた原田さんは席上、「今日が実質的なスタートとなる。韓国と日本が民間レベルでは親密な関係を築いていることを、まずは、Youtubeを通じて6月から世界に発信していきたい」と抱負を述べた。
同じく理事に就任した飛岡健さん(人間と科学の研究所代表、東京)は、「われわれの子や孫のためにも、将来的にいい日韓関係をつくりたい。対立を残してはいけない」と強調した。
一方、韓国側は新たに放送局を設立するのに資本金5億ウォンを必要としており、準備にもう少し時間がかかる模様。鄭さんは「日本側が先に立ち上げたが、韓国側も今年中には発足できると確信している」と述べた。
(2014.2.26 民団新聞)