インターネット動画サイトのユーチューブ、またはホームページ(HP)から「みんなのKテレビ」に入ると、民団や道民会などの各種行事を無料で視聴できる。テレビ制作会社イルージョン(高哲明社長、東京都文京区)が、1年ほど前からボランティアとして取り組んでいる。
映像で扱うのは文化的イベントが中心。現在アップ済みのコンテンツは東京都内での行事を中心に80余り。ホームページを開くと、民団中央本部、民団東京本部、同支部、道民会、韓人会、韓国文化院、料理教室、協力団体と大きく8つのカテゴリーに分かれている。
民団中央本部のページを開くと、東京本部との2015合同新年会や2014就職フェアを見ることができる。民団東京本部では7月の第11回ボウリング大会や昨年の韓日ふれあい広場など。
最近では婦人会東京本部の第2回国際伝統文化フェスティバル(写真)や、韓国伝統料理研究家の趙善玉さんによる講座が注目を集め、ヒット数を増やしている。この料理講座はすでにシリーズ化が決定している。
しかし、知名度はまだ不十分。高社長(60、民団東京・練馬支部副議長、在日関東済州道民協会副会長)は、「毎日300人に見てもらえれば企業コマーシャルも入り、予算的には楽になる」と話す。
専属スタッフは3人。各団体・機関から依頼があると、撮影機材を手に現場に駆けつける。編集作業を含め、1本あたりの制作原価は約10〜20万円だという。社員からは「道楽が過ぎる」という陰口も。だが、高社長は意に介さない。
「楽しい民団、楽しい道民会が僕たちの原点。楽しいところをいっぱい抽出していきたい。持ち出しでもやる」と話す。
高社長は在日3世。高校1年生の時に民団の母国夏季学校に参加した。このとき、「日本人とは違う」との自覚が芽生えたという。いまも韓国のリズムを耳にすると「心から浮き浮きしてしまう」。「アボジから受け継いだものをここで捨てたくない。少しでも残していきたい」と語った。
問い合わせは株式会社イルージョン(03・5155・4388)。
(2015.7.29 民団新聞)