掲載日 : [2004-06-23] 照会数 : 2853
問われる「検討」期限 定住外国人障害者積み残しの与党法案(04.6.23)
[ 与野党の法案を検討する無年金障害者議連の臨時総会 ]
世論の高まりで修正を
在日外国人を排除した与党法案が次の臨時国会で成立するのは確実とみられている。民主党としても学生、主婦を対象とした特別障害給付金支給制度の創設趣旨そのものには反対しづらいからだ。
自民党が公明党の反対を押し切ってまで在日外国人を対象に入れなかった以上、残る選択肢は自ずと限られてくる。仮に与野党双方が歩み寄る余地があるとすれば、在日外国人について「検討」するとした付則の取り扱いになるとみるのが一般的。
そうだとすれば付則では「速やかに」などの字句を追加し、修正決議で具体的な期限を切るというのが民主党としては妥協できるぎりぎりのラインだろうといわれる。
いずれにしても、今後の修正協議の行方を左右するとみられるのは世論の高まりだ。大阪府知事や兵庫県知事が坂口厚生労働相に訴えたように特別給付金制度を実施する都道府県、または政令指定都市・中核都市、その他の市町レベルからこのような要望が多く出ることが望まれる。
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民団が議連に要望書
同胞・市民団体も抗議の声
民団中央本部(金宰淑団長)は高齢者を含むすべての定住外国人無年金者の早期救済を求める緊急要望書を団長名で8日、「無年金障害者問題を考える議員連盟」(八代英太会長)に提出した。
同要望書のなかで民団は国、国会の責任において一刻も早い解決措置をとるようあらためて訴えた。
なお、「旧植民地出身高齢者の年金補償裁判を支える全国連絡会」(共同代表、田中宏・李仁夏)ら同胞・市民4団体も同議連に提出した緊急要望のなかで在日外国人障害者に対する自民党側のあからさまな排除姿勢に抗議、議連側のさらなる働きかけを求めた。
同議連は在日外国人、在外邦人、学生、主婦の4類型が未加入や滞納者よりも「制度上の欠陥の割合が高い」との認識に立ち、優先して障害年金に相当する額を支給するようこれまで政府・与党に求めてきた。14日には自民党と民主党から無年金プロジェクトチームの責任者を招き、双方の法案について説明を受けた。
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次につながる担保臨時国会で獲得を
当事者 金政玉氏の話
与党同協議会の基本的考え方を示した「年金を受給していない障害者について」の合意文書では「本件については、学生等の国民年金制度の発展過程で生じた特別な事情を考慮して、福祉的な観点から適切な措置を講じる」ことが述べられている。つまり、在日韓国・朝鮮人の無年金者は「国民年金制度の発展過程で生じた特別な事情」からまったく蚊帳の外に置かれてしまったことが改めて明らかになった。
自民党の同協議会の中心になった議員には、本来、外国人は国籍のある本国に面倒をみてもらうべきで、最初から年金の外にいるのだから検討の対象にはならないという考え方が今もって露骨にある。そのことを今回の結果をみてあらためて感じさせられた。
制度の発足時に国籍条項はあっても、それが撤廃された(1982年1月1日)ときにもともと日本人かどうかという基準によって、例えば沖縄返還時と同様の救済的経過措置をとらなかったことが国籍上の差別的取扱いであるという、簡単な理屈をそもそも理解しようとする姿勢がまったくないと言わざるを得ない。
しかし、今回のことであきらめるわけにはいかない。全国に約5000人いるといわれる同胞の無年金障害者の救済を目指して、次期臨時国会では少しでも次につながる確かな担保を勝ち取っていきたい。
(2004.6.23 民団新聞)