掲載日 : [2004-06-23] 照会数 : 3408
法と生活〈3〉 在外同胞向け最新法・制度(04.6.23)
(文責・民団中央民生局)
満22歳を迎えるまでに単一国籍取得を義務化
▼国籍離脱申告に必要な書類
①戸籍謄本②外国国籍を取得するか保有中である事実を証明する書類
③男子で、満18歳になる年の1月1日以降に申告しようとする者は、兵務庁長が発行した兵籍証明書または兵役を終えたか免除されたか第2国民役に編入された事実を証明する書類
ホ 国籍選択
国籍法では、韓国国籍と外国国籍を共に保有している者で、20歳以前に出生、その他の事由で二重国籍になった人は満22歳になる前まで、満20歳以後に二重国籍になった人はその時から2年以内に、必ず一つの国籍を選択しなければならず、これを履行しなければ、原則的にその期間が経過した時に韓国国籍を自動喪失する。
但し、兵役義務を終えていない人が兵役を免除される目的で韓国国籍を放棄したり、あるいは国籍選択義務を故意に回避して韓国国籍を離脱することを防ぐため、例外的に大統領令が定める人(兵役法によって第1国民役に編入された人)は兵役を終えるか免除されなければ、韓国国籍を放棄できず、国籍選択期間内に国籍を選択しなかったとしても韓国国籍を自動喪失せず、兵役事由が解消された後、2年以内に国籍選択を終えなければならない。
国籍選択申告は、法務部国籍業務出張所または在外公館に国籍選択申告書と共に次の書類をそろえ提出すればよい。
①戸籍謄本②外国国籍を放棄した事実及び年月日を証明する書類
ヘ その他
▼国籍判定制度
国籍法は、韓国で生まれて早く外国に移住したとか、外国で韓国人の子として外国に出生し長期間在留したため韓国の戸籍に編制されていないなどの事由で、韓国国籍の取得または保有関係がはっきりしない人に対して、韓国国民かどうかの正否を審査、判定する国籍判定制度を設けている。
国籍判定申請は、法務部国籍業務出張所に国籍判定申込書と共に次の書類をそろえ提出すればよい。
①本人または国内居住親族の戸籍謄本、その他出生当時の血統関係の疎明書類②外国国籍を取得したことがある場合、その事実を証明する書類(旅券写し含む)および経緯書③外国に居住していて大韓民国に入国し住所・居所がある者は、入国当時に使用した外国旅券・旅行証明書または入国許可書の写し
▼改正法施行前に韓国国民の母から出生した者の国籍取得特例
国籍法は、父母両系主義の採択にともなう母系出生者に対する国籍取得の特例として法の施行前、20年間に出生した者で、母が現在韓国の国民であったり母が死亡当時韓国の国民であった者に対して、2004年12月31日まで法務部長官に申告さえすれば、韓国国籍を取得できるとしている。この特例規定によって国籍を取得するには、法務部国籍業務出張所または在外公館に国籍取得申告書と共に次の書類をそろえ申告しなければならない。
①外国人であることを証明する書類②母と親子関係を証明する書類③母の戸籍謄本、または除籍謄本④母の住民登録謄本または韓国旅券写し
三 後天的二重国籍を不許とする理由
イ 許可する場合の問題点
すべての人は自身の国籍が属する国から国民としての保護を受け、参政権、社会福祉権などさまざまな権利と恩恵を享有すると同時に、国に対する忠誠と兵役、納税などの義務を負担する。
ところが一人で二つ以上の国に同時に忠誠で兵役、納税などの義務を履行することは事実上不可能である。それだけでなく、国の立場からも自国民が同時に別の国でも国民になっていれば、両国でそれぞれ違う名前で生活したり、両国の旅券を所持して出入国する場合、その出入国を把握することができない。また第3国で自国政府の保護を必要とする問題が生じた時、どの国の国民として扱うべきか混乱を招くなど、さまざまな問題点が生じる。
そのため、世界の大部分の国は、国ごとに国籍決定基準に関する法体系が異なる関係で不可避に発生する先天的二重国籍者を除外し、後天的二重国籍は許さない「単一国籍主義」を普遍的に採択しており、韓国もまた同様である。
ロ 外国の事例
同胞社会の一角では、メキシコなど中南米をはじめ多くの西洋国家が二重国籍を認める方向で法改正した点をあげ、韓国も二重国籍を認めるべきだと主張している。しかし事実内容を詳細にみると、そのような国でも二重国籍を認めるということではなく、自国民であった人が外国国籍を取得しても、自国内での長期滞留や土地保有、企業活動などで、他の外国人に比べて制限を緩和するという意味にすぎない。つまり、国際的にも国内的にも、その人は厳然と外国の国民となったが、自国内で一定の法律問題に関して特別に処遇するということにすぎず、自国国民として引き続き認めるということではない。
ハ 在外国民の便益図る
韓国でも在外同胞らの二重国籍許容要求に対して、二重国籍そのものを認めるより、その要求の実質的理由ともいえる出入国及び国内滞留に関する統制と国内不動産の取得及び保有等に関する制限を緩和して行く方向で、法令と関連制度を整備しつつある。その代表的な例として「在外同胞の出入国と法的地位に関する法律」を制定・施行(99年12月3日)し、在外同胞に住民登録証の代わりに国内居所申告証を発給、就職及びその他の自由な経済活動を許容し、不動産・金融・外国為替取引に関する規制を大幅に緩和するなど、関連措置を継続して推進している。
四 国籍変動に伴う戸籍整理
韓国人は先祖に対する崇拝と血縁関係を重視する儒教的な伝統のもとで成長してきた。そのため、在外同胞の祖国に対する郷愁と家族に対する愛着はどの民族よりも強い。このような理由から、外国に永らく居住してその国の国籍を取得し韓国国籍を喪失するようになった人も、在外公館や出入国管理事務所に国籍喪失申告をせず戸籍がそのまま残っているケースが相当多い。
しかし、国籍変動に伴う戸籍整理をしたからといって、母国との関係や血縁関係まで断絶されるものでは決してない。外国国籍の取得後に国籍喪失申告を行えば、国内の戸籍はいったんは除籍処理(除籍謄本は存在)されるが、たとえ戸籍が整理されたとしても家族関係、血縁関係が切れることではない。
そればかりか、前述したように韓国国籍を喪失した場合でも後から国籍回復許可を受ければ、再び韓国国民となることができ、戸籍も再び作ることができる。むしろ、国籍が変更されたにもかかわらず戸籍を整理しない状態で韓国国籍を回復しようとする場合、戸籍整理手続きのため国籍回復手続きが遅延される場合がある。従って国籍喪失およびそれに伴う申告手続きを、ことさら忌避する理由はないと言える。
(2004.6.23 民団新聞)