掲載日 : [2004-07-21] 照会数 : 2704
同胞・市民団体 無年金障害者の生活実態調査開始(04.7.21)
国籍差別の不当性訴え
司法に早期救済求める
在日同胞と日本人の有志で構成する「在日外国人障害者の年金訴訟を支える会」と「年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会」は、7月から在日同胞無年金障害者を対象に詳細な生活実態調査に乗り出した。調査を通じて日本国の不合理な国籍排除をただし、制度の谷間で苦しむ障害者の一刻も早い救済を司法に訴えていく考えだ。
大阪高裁に準備書面提出へ
設問は70項目で構成している。外国籍を理由にこれまで受けてきた不利益を聞く設問では、福祉サービスから排除されたり、就職差別を受けたりした体験の有無を。たとえ就職先を確保したとしても、労働条件の面で障害や民族的な理由により不当な扱いを受けなかったかどうかも聞いている。
施設入所者については、自由に使える金額が月にいくらあるのかを問い、日本人の年金受給者との生活格差を浮き彫りにしていく。調査対象者は関西地区を中心に数十人を予定している。
同様の調査は昨年、厚生労働省でも実施しているが、国籍要件のため無年金となった障害者、および知的障害者と施設入所者は除外された。「年金制度の国籍条項を撤廃させる全国連絡会」では急きょ、一部の在日外国人を対象に厚労省と同様の設問項目で実態調査を行い、その結果を同省に提出したが、国の救済策に反映されることはなかった。
こうした経緯を踏まえて今回の調査では、在日外国人障害者の歴史的経緯と生活実態に直接、踏み込んだ内容に改めた。調査結果は10月1日に行われる在日外国人の障害年金訴訟第3回口頭弁論に準備書面として提出、「支える会」の愼英弘共同代表が立証する。
愼教授は「全国数千人といわれる在日無年金障害者の置かれた苦しい実態の一端をありのままに直視してもらい、国の救済策が必要なことを訴えていきたい」と話している。
聴覚に障害のある京都市の在日同胞7人が障害年金を受給されないのは憲法違反だとして国を相手取って年金不支給処分の取り消しと損害賠償を求めて提訴したのは00年3月のこと。一審の京都地裁は昨年8月、原告らの訴えを退けた。控訴審は大阪高裁で続いている。
「支える会」事務局では調査対象の幅広い掘り起こしのため、近隣に住む対象者の紹介を呼びかけている。問い合わせは事務局担当の鄭明愛さんまで。(℡090・6753・6993)。
(2004.7.21 民団新聞)