掲載日 : [2004-07-28] 照会数 : 3193
「成長軌道への復帰予感」 韓信協が総会(04.7.28)
[ 来春のペイオフに備えいっそうの結束を確認した韓信協総会(21日、東京) ]
ペイオフ完全解禁に備え互助基金の充実急ぐ
在日韓国人信用組合協会(洪采植会長)は21日、都内のホテルで第53回通常総会を開いた。3月末決算で11組合に統合・合併後では初めて預金高を1兆円台に乗せ、貸出金も順調に伸ばしたことから、「成長軌道への復帰を予感させる」との認識で一致した。また、来年4月のペイオフ全面凍結解除を乗り切るべく、互助基金制度を充実させることで会員組合のいっそうの結束を図ることを確認した。
会員11組合の04年3月末現在の総預金量は前年同期比15・4%増(1400億円増)の1兆500億円、貸出金は6・56%増の6850億2300万円。特に貸出金は、長期低落傾向から一挙にプラスに転じた。
業務改善面でも大きな進展があり、横浜商銀が12億5000万円、あすなろ信組が10億2000万円、愛知商銀が6億7000万円の増資を行って自己資本比率を向上させたほか、横浜商銀が4店舗、愛知商銀が2店舗減らし、両組合はともに2割前後の大幅な人員削減を実施した。
洪会長はあいさつの中で「日本経済は回復の兆しを見せているとはいえ、中小企業にとってはまだまだ実感できる状況にはない」との認識を示し、「来年のペイオフ完全解禁に備え、本国の支援資金と韓信協の互助基金との有機的な結合を図る一方、会員組合の合併・統合を進めることで経営体質の強化を追求し、同胞社会の安心感を獲得したい」と語った。
この日、来賓として駐日大使館の朴承武・経済公使、呉東煥・財経官、民団中央本部の金宰淑団長、在日韓国商工会議所の金建治会長らが出席した。
金団長は、「日本の中小金融機関は厳しい局面が続いているが、会員組合は健闘している。難局を乗り切り、同胞経済を発展させるためにさらなる自助努力を期待したい。来年に備え、政府の支援資金を導入するためにも、互助基金の充実化が急がれる」と強調した。
事業計画案では、ペイオフ完全解禁に対応すべく、決済性預金の開発を進め、11月前後にも「無利息普通預金」を商品化することを決めた。また、予防的に公的資金を注入する金融機能強化法および改正預金保険法の来月施行によって合併を推進しやすい環境が造成されるのにともない、昨年5月に発足した合併推進委員会を中心に会員組合の合併・統合を進めていくことを確認した。
当面の緊要課題になっている互助基金制度は、会員組合と在日韓国商工会議所が拠出する80億円に政府支援金を合算するもので、実現すれば旧互助基金よりはるかに強力な相互支援機能をもつことになる。本国支援金分についてはこれまで、償還保証問題がネックになってきたが、全額償還が保証される「無利息普通預金」に組み込むことで解決できる。韓信協では会員拠出の基金を助け合い資金として経営基盤の強化に運用しながら、本国支援金の実現に取り組む考えだ。
近畿産業が脱会表明
会員組合最大手の近畿産業信用組合は20日、韓信協から脱会する旨の意思を表明、総会にも参加しなかった。近畿産業はこの間、互助基金制度には賛成しつつも、本国支援金の取扱候補銀行に難色を示し、また、韓信協の経費削減を求めて分担金の納入を留保する一方、議決権の預金量に応じた配分を求めてきた。
この調整がはかどらないまま脱会の意思表示となったものだが、韓信協はあくまで一致結束を崩さない姿勢であり、近畿産業への対応は執行部に一任された。
(2004.7.28 民団新聞)