掲載日 : [2004-08-18] 照会数 : 3239
法と生活〈8〉 在外同胞向け最新法・制度(04.8.18)
(文責・民団中央民生局)
出入国と滞留手続き④
海外での証明書は旅券
5.旅券発給手続き
イ.概要
旅券(パスポート)は、外国に旅行する韓国国民の身分を証明すると同時に、旅行国の関係者に韓国国民に対する便宜及び適切な保護を要請する文書である。種類別には一般旅券、官用旅券、外交官旅券に、国外旅行が可能な回数別では単数旅券と複数旅券に区分できる。
旅券は外交通商部長官が発給し、大韓民国国民に発給されるために所持人の国籍を現わす重要な徴表としての役目も果たす。従って、旅券とビザは厳格に区分される概念であり、ビザとは、旅行しようとする相手国で自国に入国してもよいとの承認の表示を意味し、旅行先国政府の査証を受けてこそ入国が可能になる。現在、韓国と査証免除協定を締結した国家は76カ国で、これらの国家については一定期間ノービザで自由に旅行することができる。
ロ.旅券の種類と発給機関
旅券は、一般、官用、外交官旅券の3種類に分類して発給している。官用旅券は公務員(または準公務員)が公的業務で海外派遣される時、外交官旅券は国家代表性を持つ公務員が外国政府と接触したり外交交渉する時に発給され、その他に大韓民国の国籍を所持する者で海外旅行に欠格事由がない韓国国民には一般旅券を発給している。
韓国の旅券発給権者は外交通商部長官だが、実務的に外交通商部では官用、外交官旅券のみを発給している。一般旅券は、ソウル市の6区庁(鍾路、蘆原、瑞草、江南、東大門、永登浦区庁)と広域市、道で外交通商部旅券課の管理下に旅券発給を代行している。従って、一般旅券を取得しようとする者は、市・道旅券発給代行機関を通じて発給してもらえる。
ハ.旅券の発給手続き
旅券発給は、それ自体の業務以外にも兵務業務、住民登録業務、警察業務(身元調査)等が相互に関連している。韓国国民が該当旅券発給機関に旅券発給を申請すると、電算確認を通じて通常5〜6日で旅券の発給を受けることができる。但し、身元調査が「未回報」と分類された場合は、多少の日数が必要だが、特別な事情がない限り30日以内に、身元調査が処理されるよう規定されており、できるだけ早期に旅券が発給されるよう便宜を図っている。
ニ.旅券発給申請時の具備書類
①旅券発給申請書1部②旅券用写真2枚(3・5㌢×4・5㌢)③父または母の旅券発給同意書及び同意人の印鑑証明書(18歳未満の未成年者に該当)④兵役関係書類(兵役義務該当者に限る)⑤住民登録上同居人として登載された者と改名、生年月日訂正者は戸籍謄本1通を追加提出(行政ネットワークで確認できない場合)
ホ.旅券の有効期間
旅券は、国外旅行可能回数別に複数旅券と単数旅券に区別できるが、複数旅券は5年の有効期間を付与し有効期間満了日まで回数に制限なく外国旅行ができる旅券で、単数旅券は1回に限り外国旅行ができ、通常1年以内の有効期間で発給されている。旅券は、総有効期間が10年を越えない範囲内で有効期間を延長して使用でき、延長申請は有効期間満了前1年から満了後1年以内にしなければならないので、旅券有効期間満了日に注意する必要がある。
ヘ.居住旅券
(1)対象
居住旅券は、駐在国から永住許可を取得した永住権所持者等の在外同胞に発給される旅券である。その対象は具体的に次の通り。
①外交通商部長官に海外移住申告をした者②保健福祉部長官の国外養子縁組許可を受けた者③居住地国の永住権または移民査証を取得した者(米国の場合、移民査証インタビュー通知書〈PacketⅢまたはG―56FORM〉を取得した者も含む)④永住権制度がない国家では、次のような永住権に替わる長期滞留許可を受けた者(5年以上の長期滞留許可を受けた者、5年未満の滞留許可だけを付与する国家では全家族が5年以上現地に居住した者で居住地国の長期滞留許可を受けた者)
※右記の場合、兵役義務者は兵務庁長の国外旅行許可または兵役免除処分を受けた後、居住旅券を発給する。
※5年以上の長期滞在だとしても就業、留学、商用など海外移住の目的ではない場合には、居住旅券は発給されない⑤国外で外国人と婚姻した者及びその同居の子⑥大韓民国に帰化した者で原国籍国に居住しようとする者
(2)新規発給
初めて居住旅券を申請する場合には、次の具備書類を揃えて申請しなければならない。
①旅券発給申込書②海外移住申告確認書など(イ)項の居住旅券発給対象者だと証明できる書類③国税納税証明書、地方税完納または未課税証明書(国税徴収法第5条、地方税法第38条)④兵役関係書類(18歳以上30歳以下の男性)⑤国外移住申告済証(邑・面・洞事務所発行)⑥旅券用写真2枚(申請書用1枚、旅券用1枚)
(3)有効期間延長
有効期間延長のための具備書類は次の通り。
①旅券記載事項変更等申請書
②旅券用写真4枚(申請書用1枚、身元陳述書用3枚)、14歳未満者は旅券用写真1枚(申請書用)
③身元陳述書3部(14歳以上者)
④戸籍謄本
⑤旅券及び旅券写本
⑥永住権
※永住権制度がない国家に長期滞留する場合には長期滞留許可証(在日同胞は再入国許可書と外国人登録証)で永住権に替える
⑦兵役関係書類(18歳以上30歳以下の男性)
(4)特記事項
▼居住旅券所持者の国内滞在期間
居住旅券所持者は、再入国後、国内滞在期間が2年を超過する時には、旅券有効期間以内であっても国内滞在期間が2年になる日に旅券の効力を失う。但し、兵役義務者の場合には、国内滞在期間が1年になる日に旅券の効力を失う。
次の場合には、2年を超過する場合にも旅券の効力が失われない。但し、この場合も外交通商部長官の滞在期間延長確認を受けなければならない。
①関係中央行政機関の長の要請により国内に2年以上滞留することになる者及び彼と生計を共にしている親族
②国外に3年以上居住した者で米貨10万㌦相当以上を国内に投資した者及び彼と生計を共にしている親族
③外国商社の国内支社等の役・職員として、当該商社から給料を支給される者及び彼と生計を共にする親族
④国内に2年以上滞留することになる外国人の配偶者及び国際養子縁組者(軍人家族含む)
⑤3年以上国外に居住した在外国民で国内に留学中の者(外国人学校は除外)
⑥60歳以上の者⑦その他、人道的に相当な事由があると外交通商部長官が認める者(入国満了日以前に事由が該当する場合に限る)
▼国内滞在期間延長
国内滞在期間延長のための具備書類は次の通り。
①旅券記載事項変更申請書
②旅券及び旅券写本(身元情報欄及び最終入国日が捺印されたページ)
③兵役関係書類(18歳以上30歳以下の男性)
④事由書
⑤永住権、移民査証または再入国許可書写本
⑥証拠書類
※軍人家族=IDカード及び同写本、永住権及び同写本、夫の転出入命令書(別名=ORDER)
※投資者=投資許可書、事業者登録証
※外国商社国内支社役・職員=在職証明書
※学生=在学証明書
兵役義務を終えていない者で、1年以上国内に滞在する場合は、兵役関係の書類を提出しなければならない。
▼機関担当
最初、居住旅券発給業務は外交通商部または在外公館で担当し、市・道は居住旅券所持者の居住旅券再発給と有効期間延長業務だけ担当する。
6.医療保険と国民年金
在外同胞法により在外国民と外国国籍同胞に対して各種恵沢が与えられるということは先に説明した通りである。そのうち、ここでは医療保険と国民年金について説明し、その他の部分は各該当部分で後述する。
イ.医療保険
在外同胞の出入国と法的地位に関する法律第14条は「国内居所申告をした在外同胞が90日以上大韓民国内に滞留する時には、医療保険関係法令の定めにより医療保険の適用を受けられる」と規定している。また、国民健康保険法は、次の要件に該当する人は、本人の申請により健保保健加入者になることができると具体化している。
①一定の要件を具備した外国人
在外同胞(F―4)資格で滞在する外国国籍同胞・文化芸術(D―1)・留学(D―2)・産業研修(D―3)・一般研修(D―4)・取材(D―5)・宗教(D―6)・駐在(D―7)・企業投資(D―8)・貿易経営(D―9)・教授(E―1)・会話指導(E―2)・研究(E―3)・技術指導(E―4)・専門職業(E―5)・特定活動(E―7)・研修就業(E―8)の滞留資格で国内に1年以上滞在する者及びその配偶者と20歳未満の子(F―3)・訪問同居(F―1)資格で滞留する大韓民国国民の配偶者及びその子・居住(F―2)資格で国内に長期居住する者
②在外国民(大韓民国国民として外国の永住権を取得した者または永住する目的で外国に居住している者のうち事業、教育等の目的で国内に入国して在外同胞の出入国と法的地位に関する法律により在外国民国内居所申告をした者)
ロ.国民年金
国内に居住する18歳以上60歳未満の国民は国民年金の加入対象者である。ここで言う「国民」には外国の永住権を取得した国民を含む。但し、「国内に居住する」という要件を満たさなければならないが、国民年金管理工団では通常的に国内に住所を置くか居所を置く場合と解釈する。海外留学生や韓国法人の国外事業所等に派遣された勤労者は、国内に居住するものと扱われる。
また、国民年金法の適用を受ける事業場に使用されている外国人と国内に居住する外国人で、大統領令から除外する者以外の外国人は、当然事業場加入者または地域加入者となる。従って、在外同胞滞留資格で大韓民国に滞在中の外国国籍同胞も一定の場合、国民年金加入加入対象となる。但し、相互主義により国民年金法による国民年金に相応する年金に関して、外国人の本国法が大韓民国国民に適用されない場合には、その限りでない。
(2004.8.18 民団新聞)