掲載日 : [2004-09-01] 照会数 : 2838
<ハンセン病補償法>「韓国」除外は不当 処分取消し求め提訴(04.8.31)
[ 記者会見で訴訟支援へ決意を語る在日同胞の國本衛さん(中) ]
ハンセン病入所者に対する隔離政策の違法性を認めて正式に謝罪、補償した日本政府が、植民地統治下で隔離政策を行ってきた韓国国内の入所者に対しては補償の対象から除外していたことが分かった。同法に国籍や居住地などの制限があるわけではない。立法趣旨に照らして平等原則に反するとして韓国人の元患者111人が23日、東京地裁に提訴した。
療養所 総督府が開設
訴えているのは韓半島最南端の小島にある「ハンセン病ソロクト(小鹿島)更正園」(現在は国立ソロクト病院)に強制収容された元患者たち。「ハンセン病補償法」が01年6月に交付・施行されたのを受けて、03年12月から今年3月まで計117人が厚生省に補償請求を行ってきた。
同補償法がすべてのハンセン病療養者を対象とし、収容時期はもとより居住地や国籍すらも問わないとしていたからだ。
ただし、厚労省は法の公布・施行にあたって記載したハンセン病療養所のうち、韓国の小鹿島更正園と台湾楽生院については明示しなかった。これは「戦後補償的色合いを帯びているため」(弁護団の話)と指摘されている。
弁護団の指摘を裏付けるように厚労省は補償請求に対する行政処分を先送りし、ようやく16日になって「国外の療養所は補償法の対象外」と、不支給を最終決定した。
この厚労省の処分を不服として処分取り消しを求めたのが今回の訴訟だ。この間、志半ばで死亡した6人を除く111人が弁護団に委任状を託した。
提訴後、司法記者クラブでの会見に臨んだ弁護団は「ここまで待たせておいて不支給の決定を下したことには憤りを感じる。韓国の被害者に補償しないのは法の下の平等に反する」と述べた。
会見に同席したハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会事務局長の國本衛(李衛)さんも「協議会として全面的にバックアップしていきたい」と決意を述べた。
新たに27人申請
この日、小鹿島の別の入所者2人と台湾の施設に強制収容された25人が新たに同省に補償を申請した。厚労省側は提訴を受けて、「現時点で訴状を確認しておらず、対応方針は決められない」と語っている。
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小鹿島更正園とは
在日同胞も強制送還
日本の植民地統治下の34年に朝鮮総督府によって設立された国立癩療養所。韓国国内はもとより在日同胞のハンセン病患者をも強制収容した。38年には大阪の在日同胞患者19人が強制送還され、収容されたことが記録に残されている。
更正園では結婚の条件として男性には断種を強制、妊娠した女性には堕胎を強制した。施設長には懲戒検束権が与えられており、規則違反者は監禁室に閉じこめたり、懲罰としての断種も日常的に行った。
職員は入所者に素手や棒で殴りつけるといった懲罰を加え、死亡者が出たことも。神社への参拝も強制した。
(2004.8.31 民団新聞)