掲載日 : [2005-03-16] 照会数 : 4141
李明守税理士の同胞税務相談(05.3.16)
相続時精算課税制度…同族株式移転に有効
Q 友人が「相続時精算課税制度」という方法で現金を子に贈与し、申告するそうです。在日韓国人にも適用できるのでしょうか。
A 適用できます。
この制度の選択をしようとする受贈者は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、所轄税務署に対し届出書を贈与税申告書に添付して提出します。
その際に、贈与契約書・贈与確認書、制度要件に該当する受贈者であることの証明、すなわち韓国戸籍謄本とその日本語訳や居住歴を証明するもの(外国人登録済証等)も添付しますので、要件を贈与前にきちんと確認して下さい。
この制度は受贈者がおのおの、贈与者ごとに選択を行うことができますが、この届出書は取り下げることができません。
相続時精算課税制度とは、①贈与時に受贈財産に対する精算課税に係る贈与税を支払い②相続時にその受贈財産の価額と相続又は遺贈により取得した財産の価額とを合計して計算した相続税額から③すでに支払った精算課税に係る贈与税額を控除した額をもって、納付すべき相続税額とする制度です。受贈者は暦年贈与方式に代えて、この制度の適用を受けることを選択できます。
適用対象となる贈与者及び受贈者はそれぞれ、その年の1月1日において65歳以上の者、同日において20歳以上の贈与者の推定相続人で直系卑属である者とされています。
相続時精算課税適用者の贈与税額の計算は、①選択をした年以後の各年において②本制度に係る贈与者ごとにその贈与者からの受贈財産の合計額から③2500万円までの特別控除額(すでに特別控除を適用した場合には、その適用した金額を控除した残額)を控除した後の金額に20%の税率を乗じて計算します。
また、この制度では、自己の居住の用に供する一定の家屋を取得するための資金又は自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金の贈与を05年末までに受ける場合に限り、65歳未満の親からの贈与についても適用することとし、住宅資金特別控除額1千万円を上乗せし、最高3500万円の特別控除を受けることができます。
ただし、相続税の有利不利は、この制度の選択前に贈与者の資産調査と推定相続税額の試算をしない限り判断できません。相続税がかかりそうにない贈与者が特別控除額の範囲内で精算制度の贈与をすることには、遺留分問題を除き、税負担においては問題ないでしょう。
ところで、本制度の適用は限度がありますので、同族株式の移転などに有効に使いたいものです。
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略歴
イ・ミョンス。1958年下関生まれ。青年会中央副会長などを経て税理士の資格取得。福岡韓国商工会議所理事、福岡納税経友会顧問。李明守税理士事務所℡092‐415‐3111。(毎月1回掲載)
(2005.3.16 民団新聞)