掲載日 : [2005-07-13] 照会数 : 4408
李明守税理士の同胞税務相談
来春施行の新会社法…資本金1円でも創業
Q 私は、韓国の馬山(マサン)市から九州大学に留学している学生です。専攻学科を活かして、来年の卒業後、4月に日本で会社を設立しようと思っています。会社法が改正されたと聞いたのですが、どう変わったのでしょうか。
A ①会社法の改正点
先月、新会社法が成立し、来年4月から施行されることになりました。株式会社の設立の手順が簡単になりました。最低資本金制度が撤廃され、会社の内部組織(会社機関)の設計が柔軟になりました。資本金1円以上で、取締役が社長1人でも株式会社を設立することができます。資本金の払込証明等は残高証明書等で足り、現物出資の手続きも簡便になります。法人での起業や個人事業者の法人化が増えるでしょう。
一方、新法では、外国で設立された外国法人については、日本で取引を継続する場合、「日本における代表者」を定め、登記しなければなりません。この「日本における代表者」はすべて日本に住所を有する必要はありませんが、1名は日本に住所を有していなければならないという規則になりました。また、外国法人が日本に本店を置いたり、日本における事業が主たる目的であってはならないこととされています。
②有限会社から株式会社への移行
新法の施行後は、新たに有限会社を設立することができなくなります。今の有限会社は、存続するか株式会社に移行するか、いずれかを選択することになります。相当数の有限会社が株式会社に移行するものと思われます。有限会社を株式会社に変更する手続きは、定款で商号を「有限会社○○」から「株式会社○○」に変更するだけです。費用は登録免許税が3万円程度かかるくらいでしょう。変更に当たっては、資本金をどう(増資・減資)するかや、今の「社員総会+取締役」といった内部組織をどのような形にするかを検討する必要があります。
また、その移行の際、債務超過の有限会社は、デット・エクイティ・スワップを利用して増資をし、赤字の充当のために1円まで減資をするという方法も考えられます。
③税務上の注意点
新設法人について税務上留意すべき点は、設立時の資本金額が1千万円未満の法人であれば設立第1期及び第2期の消費税が免除されることです。1千万円以上であれば、その期間中の課税売上高に対して消費税が課税されます。また、法人税の交際費課税など、資本金額によって取り扱いが異なる規定が多々あるので整理したうえで準備をする必要があるでしょう。
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*略歴 イ・ミョンス。1958年下関生まれ。青年会中央副会長などを経て税理士の資格取得。李明守税理士事務所℡092-415-3111。(毎月1回掲載)
(2005.07.13 民団新聞)