掲載日 : [2008-09-17] 照会数 : 5786
<10月マダン>地域と一体で盛り上げ 「参政権」前進も願い
趣向こらし29本部で開催へ
民団が創団の月を記念して開催する恒例の伝統祝祭が「10月のマダン」だ。今年は韓国建国60周年の節目にあたるうえに、創団60周年と重なる地方も多く、祝賀ムードは例年以上。民団が媒介となって韓日交流の雰囲気を盛り上げようと、各地とも張り切っている。ヤマ場にさしかかった地方参政権獲得運動の追い風にする狙いもある。今年は全国29本部で予定されている。
独島問題乗り超え
鳥取県本部(薜幸夫団長)は建国60周年と同本部の創団60周年を記念、韓国と鳥取県との友好交流の象徴ともいうべき公園「風の丘」で韓国舞踊の公演を開く。同本部のマダン開催は8年ぶり。
同公園は地元の琴浦町が園内の記念碑から「東海」の2文字を削除し、両国間に波風を立てたいわくつきの場所。独島問題もからみ、友好ムードは冷え込んだまま。薜団長は「だからこそ交流再開を願い、あえて琴浦町で開く」のだという。当日は県知事や琴浦町長、韓国と交流の経験がある町役場職員も招き、バーベキューパーティーをともにする。
島根県本部(李燮潤団長)も独島問題を「国家間の問題」と割り切り、「地域に開かれた民団」をめざして5年前から地道に市民交流を続けてきた。今年のマダンは「これまでの事業の集大成」と位置づけている。
町内会長から協力
岩手県本部(金盛義団長)は地域社会に開かれた韓国会館をアピールするのに懸命だ。館内でキムチ漬け講習を行い、チヂミや焼き肉、韓国のり巻きの屋台も出す。親しい地元の町内会長を通じて案内を1500世帯に回覧している。姜英萬事務局長は「同胞だけのマダンから脱皮し、地域住民と一緒に楽しむ祭りにしていきたい」と話す。同様の趣旨で宮城県本部(李根団長)は名取スポーツパークで開催している野遊会を、今年初めて県日韓協との共催とした。これは10月24日に予定している地方参政権シンポを盛り上げたいとの期待もあるようだ。
地域を巻き込んでの韓日交流祭では、民団岡山県本部(許東郁団長)の外郭団体、アジア国際センターが地元の民団、婦人会、青年会、日韓協、教育院とスクラムを組む「コリアウィーク」がユニークだ。岡山韓国会館を主会場にコリアンフェスタ、料理とチャンゴの教室、歴史・文化講演、各種発表会、弁論大会など11のプログラムが1週間にわたって続く。
議員にもアピール
建国60周年祝賀を前面に打ち出したのが民団奈良県本部(昌桓団長)や民団広島県本部(権五源団長)、民団京都府本部(金有作団長)など。奈良では3年前の国交40周年記念行事以来の力の入れよう。「参政権にもプラスになるよう議員も呼ぶ」という。
沖縄県本部(梅昌玉団長)は国際通りでの民族伝統芸能パレードに今年は忠清南道から農楽隊を招請している。
(2008.9.17 民団新聞)