掲載日 : [2008-10-08] 照会数 : 9882
ソウルで全国幹部研修 青互台で決意新た
[ 青瓦台を訪れた全国の民団幹部を激励する李明博大統領 ]
李大統領「支部訪れたい」
【ソウル】民団は08年度全国幹部研修会を5日から7日にかけてソウルで開き、南北関係を中心に内外情勢を学ぶとともに、本国との紐帯強化と天王山を迎えた地方参政権獲得運動に全力傾注する決意を新たにした。また、約200人の参加者は6日、青瓦台に李明博大統領を訪れ、民団の諸懸案について政府の理解と協力を求め、和やかに懇談した。
本国と連帯 民団活動に拍車
支団長を含む大規模懇親会は青瓦台初めて。鄭進団長が「大統領が目指す未来志向の韓日関係実現に向け、民間交流を積極的に推進し最善を尽くす」とあいさつすると、李明博大統領は、建国60周年に際した内外の多くの行事に在日同胞が積極参与したことに謝意を示し、「韓日関係は進展させねばならない。米・日・中・露の4大国を訪れたが、南北問題を解決するためには、この4大国との関係が重要だ」と強調。「まず韓国が強くなることだ。いい時も悪い時もわが国を支援してくれた在日同胞に感謝する」と語りかけた。
意見発表では崔聖植(みんだん生活相談センター・行政書士)、千正己(北海道・函館支部副団長)、許民九(京都・伏見支団長)、禹判根(福岡・大牟田支団長)の4氏が、「相談センターへの支援」「韓国食テーマの民間交流支援」「京都訪問」「強制連行の同胞慰霊碑に対する理解」など、率直な思いを述べた。
李大統領は「相談センターにお金がかかることは知っている。政府として関心をもつ」と述べ、「韓・日・中首脳会談が日本の地方都市で開かれることになれば、その地域の民団支部を訪ねたい。(出身地の)大阪にも行ってみたい」と答えると大きな拍手がわき起こった。記念撮影では参加者が次々に大統領に握手を求めた。
ヘッドテーブルには鄭進団長、金廣昇議長、金昌植監察委員長と朴炳憲、金宰淑、丁海龍の中央常任顧問3氏に加えて、劉昌得(岩手・県南支団長)金禎晃(大分・大分支団長)、白海秦(神奈川・湘西支団長)、文煕元(大阪・生野中央支団長)の4氏が同席した。
研修会に参加した唯一の女性である白支団長は嬉しさを隠しきれず、「とても光栄。韓流スターに負けない雰囲気がある。握手した手は大きく、祖国発展の一線で頑張って来られたという印象を受けた。私もいっそう民団活動にまい進したい」と決意を新たにした。
青瓦台で現職大統領に会うのは初めてという静岡県本部の金光敏団長は、「私たちを迎えた李大統領の温かな雰囲気が感銘深い。在日と共通の苦労体験があるのではないか」と語った。大阪行きを希望した発言に、金漢翊大阪団長は、「ぜひとも実現させたい」と目を輝かせた。
支部成功例など報告
5日の開会式で鄭進団長は、「建国60周年で本国と在日の一体化がさらに深まった。北韓の核廃棄と韓半島の平和定着など、民族的課題に本国とともに力を傾注しよう。大詰めを迎えた地方参政権獲得に万全の体勢で臨もう」と強調した。会場には政財界や駐日大使歴任者ら17人の来賓がかけつけた。代表して金鍾泌元国務総理、金守漢韓日親善協中央会会長、李相得韓日議員連盟会長(内定)、柳明桓外務部長官があいさつした。
金元総理は、「北韓はいくら支援しても仇で返してきた。忍耐しながら国力を培い、統一を待つしかない」と強調した。金会長は「来たる日本の総選挙には、在日の参政権について賛成する立候補者を応援し、反対する候補者が落選するくらいに民団の力を誇示すべきだ」と檄を飛ばした。
6日の朝食会で、民主平和統一諮問会議の李基澤首席副議長が「余りにも左傾化した韓国の現状を憂い、李明博候補の選対に入った」と自己紹介した後、「統一に参与するのは国民の道理。国内外の意思統合を積極推進する」と述べた。
研修では「内外情勢と当面課題」について、河政男事務総長が講義した後、北韓労働党の書記など重責を歴任した黄長氏が「南北関係」について講演。「北の狙いは韓米、韓日の離間であり、同盟関係を崩すことにある」「ろうそくデモは金正日の韓国に対する精神侵略の象徴だ」などと語った。
朴相泓組織局長による「支部の基本的役割」の講義の後、4支部から報告があった。北海道・函館支部の千正己副団長は、7年続けている「韓国うまいものフェア」について、行政との共催で宣伝が市民や小・中・高生全員に行き渡ることで成功し、団員結束のほか市民が支部会館を訪問するようになったなどの成果点をあげた。
三重県・桑名支部の殷慶基支団長は、教育委員会との連携で在日理解や多文化共生活動に尽力していると報告。小・中学生が支部を訪れ、民族衣装の着付けやチャンゴ体験、婦人会がつくる韓国料理の試食の後、歴史などを学んでいるという。 大阪府・生野中央支部の文煕元支団長は、生野東と北が統合して財政改革を行い、旅券手数料の無料化に踏み切ったことや、意識高揚と親睦のために映画、ウリマル、チャンゴ、囲碁の催しを曜日ごとに実施することで、支部が一丸になっていると紹介した。
福岡県・福岡支部の白洪成支団長は、団員情報のデータベース化による活動の迅速化で、団費も免除世帯を除きほぼ全世帯からもらうことが可能になったことや、土曜オリニ学校、週1回の韓国語講座と同2回のテコンドー教室の定着ぶりをアピールした。
研修ではまた、安秉直ソウル大名誉教授の「建国60周年の意義」と題した特別講義を受けた。7日は組織整備委員会、規約改正委員会の議論の方向性についての報告と中央3機関長との対話、総括で締めくくった。
期間中、新韓銀行、第一スポーツセンター、本国投資協会が晩餐などを準備、民団幹部らの日ごろの労苦をねぎらった。
(2008.10.8 民団新聞)