掲載日 : [2009-03-11] 照会数 : 5830
歴史学び韓日共通理解 在日同胞主宰で勉強会17年
[ 教材を手に解説する鄭宗碩さん(左) ]
韓国と日本に関わる歴史、文化を主なテーマとした在日同胞主宰の学習会が月1回のペースで開かれ、今年で17年目を迎える。東京・新小岩の韓国居酒屋を会場に、遠くは茨城県筑波研究学園都市からも通ってくる。15人も入ればいっぱいになる会場はほぼ貸し切り状態だ。
会の名称は「韓国・朝鮮・在日と日本の歴史と文化を知る会」。在日同胞への偏見と差別解消には韓国と日本の過去の歴史を知らなければと、代表の鄭宗碩さん(66、マンション管理業)が92年5月、江戸川区が発行する区広報を通じて呼びかけたのが始まり。
2月18日は鄭さんがあらかじめ韓国国立中央博物館発行の図録を日本語訳し、テキストとした。参加者の平均年齢は50代後半で、みな一家言の持ち主ばかり。約90分、朝鮮朝時代の木工家具について突っ込んだ議論が飛びかう。夜も更けてお酒が入ると、さらに熱を帯びてきた。
細川喜正さん(66、東京都清瀬市)は「鄭さんの一生懸命な生き方が好きで参加している。参加者の皆さんから話を聞いているだけでも楽しい」と話した。鄭さんは「人間的なつながりを大事にしてきたから長続きしているのかもしれない」と応じた。さらには、年に1・2回、韓国でテーマを決めて実施する本格的なフィールドワークも人気の一因のようだ。
鄭さんの父親(当時、17歳)は関東大震災の混乱のなか、東京・墨田区で自警団によって虐殺されそうになったことがある。父親から話を聞いた鄭さんは、わずかな手がかりをもとに半年がかりで命の恩人の子孫を捜し出し01年、東向島の法泉寺に「感謝の碑」を建立したことで知られる。
鄭さんは「お互いの理解を深め、真の韓日親善につなげていければ」と話している。
問い合わせは鄭さんの携帯(℡090・4057・4146)。
(2009.3.11 民団新聞)