掲載日 : [2009-05-13] 照会数 : 9266
近いし安心や 巡回領事で民団も活性化
[ 旅券申請を受ける公館職員(右=生野南支部) ]
大阪管内
地域密着が好評 団費集金アップ
【大阪】旅券法の改正に伴い、昨年11月25日から代理申請は認められなくなった。電子旅券の申請にあたっては、本人による直接申請が原則。だが、最寄りの公館に足を運ぶのは半日ないし1日がかり。こうしたなか、駐日公館は民団側の要望を受けて巡回領事制度を導入、好評を博している。7日、巡回領事業務の行われた民団大阪・生野南支部(金正男支団長)で団員の感想を聞いた。
最寄りの支部で領事業務を済ませられるメリットは、自宅から地理的に近いことはもちろん、民団職員があらかじめ準備書面を用意してくれていることで得られる安心感が大きいようだ。
邵玉姫さん(54)はこの日、2人の息子と民団生野南支部を訪れ、パスポートの申請を無事済ませた。「支部会館でしたら近い。地域に密着した民団の活動をうれしく思っています」と話した。二人の息子たちも「総領事館では申請人が大勢いて、待っている時間が長い。申請書類に不備がないかと考えると不安も大きかったし、職員の対応にイライラすることもあった。民団に来てもらうと、そうした緊張感はなく、安心できます」と口をそろえた。
別の若い女性も「総領事館で出される申請用紙は基本的にハングル。解読に苦労して、職員に教えてもらいながらの申請となり、時間がかかりました。民団ならば家から近いし、民団の職員がそばにいて書き方もアドバイスしてくれるのでプレッシャーを感じません。安心して旅券申請ができました」と話していた。 民団生野南支部のある関係者は、支部巡回のメリットを次のように語った。「人の出入りが多くなることで、これまで以上に地域に密着した民団会館になっていく。団員への便宜を図ることで、団費の集金もスムースになりました。大阪は零細企業の経営者が多くて、半日ないしは1日かけて総領事館に申請に行くのは大変な負担なんです。でも、民団支部ならば自転車で来られる距離なので、団員たちの評判はいいですよ」。
駐大阪総領事館の旅券受付担当の劉ジヨンさんは、「民団があらかじめ、申請用紙に記入した文書を準備して下さっているので、受付作業はスムーズです。作業が早く済みます」と話している。
大阪では管内を7ブロックに分け、昨年12月から月1回のペースで巡回している。民団大阪府本部の統計によれば、申請件数は月を追う毎に増えており、4月までに318件を数えた。巡回業務は今年11月までとなっているが、民団生野南支部関係者は「巡回は続行してほしい」と口をそろえた。
大阪ではこの後、19日が民団布施支部、26日には民団豊能支部を巡回する予定。時間は午前9時30分〜正午まで。
(2009.5.13 民団新聞)