苦闘の決算4組合が配当
在日韓国人信用組合協会(韓信協、洪采植会長)に加盟する7組合の3月末決算業績(08年度)は、預金は前年比2・19%減の5631億5100万円だったが、貸出金は同0・34%増の4196億9000万円と微増した。世界的な金融・経済危機によって収益性の悪化が進むなかでも、4組合が出資配当を実施した。
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あすか信用組合
引当金ふやし健全化
あすか信用組合は6月26日、東京・新宿の本店で第43期通常総代会を開いた。総代118人中110人(委任状55)が出席。
08年度決算業績は、預金が1655億5029万円(前年同期比0・53%増)、貸出金が1174億9842万円(同2・54%減)で、預貸率は70・97%だった。自己資本比率は6・44%、出資配当は1%。
李永植理事長は「3月末決算が目標を達成できたのも、皆さんのご協力の賜だ。しかし、厳しさは継続すると予見されるため、引当金を積み増しして健全化を図った」と説明、釧路支店の統廃合を来年2月までに実施することを明らかにした。
なお、BCCI(バンク・オブ・クレジット・アンド・コマース・インターナショナル)に対する債権の一部として、第7次分2億3420万円が返還され、特別利益に計上された。
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信用組合広島商銀
小口推進し貸出金増
信用組合広島商銀は6月18日、広島市内の本店で第48期通常総代会を開き、鄭義夫理事長を再選した。総代129人中129人(委任状54)が出席した。
08年度業績は、預金が1266億2197万円(前年同期比2・29%減)、貸出金が961億5689万円(同0・53%増)で、預貸率は75・94%。自己資本比率は5・32%、出資配当は1%。
鄭理事長は「金利引き下げ等により預金高が減少したものの、貸出金は、必要な資金供給を円滑に行うとともに、大口与信集中リスクの解消を図りながら、信保付き融資等、小口融資の推進を行った結果、前期末対比で5億円の増加となった」とし、「将来、損失が懸念される債権などに対しては貸倒引当金12億3000万円の積み増しを行った。厳しい経営環境が続く中、収益性の強化を重点課題として取り組みたい」とあいさつした。
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中央商銀信用組合
新理事長の下で再出発
中央商銀信用組合(洪采植理事長)は6月26日、横浜市内の本店で第2期通常総代会を開き、理事長に南基煥副理事長(72)が就任した。洪理事長は職員の横領事件によって業務改善命令を受けた責任を取り、辞任した。
総代121人中113人(委任状35)が出席した。
08年度業績は、預金が989億3336万円(前年同期比15・40%減)、貸出金が650億6655万円(同14・22%減)で、預貸率は65・77%。自己資本比率は4・64%。
南新理事長は「厳しい経済状況のなかで、本組合も苦しい経営を強いられている。だが、全力を傾注し、必ず乗り切る決意だ。合併から2年の、7県にまたがる広域信組だが、一致団結して前進しよう」と呼びかけた。
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信用組合愛知商銀
純益を引当金に充当
信用組合愛知商銀(本店・名古屋)は6月26日、名古屋市内の愛知韓国人会館で第56期通常総代会を開き、権東鉉理事長を再選した。総代131人中116人(委任状58)が出席した。
08年度決算業績は、預金が629億2427万円(前年比1・96%減)、貸出金が513億3902万円(同5・29%増)で、預貸率は81・59%。自己資本比率は6・03%だった。
権理事長は「純利益9億6500万円を出したにもかかわらず、貸倒引当金の積み増しなどにより未処理損失金が次期繰り越しとなり、出資配当ができなくなった」と説明しながら、8月末まで実施される「民団 預金増強運動記念定期預金」への協力を要請した。
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九州幸銀信用組合
「変革と挑戦」で成果
九州幸銀信用組合(呉龍夫理事長)は6月26日、福岡市内の本店で第53期通常総代会を開いた。総代129人中123人(委任状75)が出席した。
08年度決算業績は、預金537億3969万円(前年同期比18・83%増)、貸出金439億9965万円(同22・37%増)で、預貸率81・88%。自己資本比率は5・55%。配当は、普通出資1・2%、優先出資1・5%。
呉理事長は「『変革と挑戦』をスローガンに各種施策に取り組んだ結果、預金積金が85億円、貸出金が80億円とそれぞれ増加した。不良債権処理として貸倒引当金に7000万円を追加計上し、純利益2億2100万円を出すことができたのは皆様のご協力のおかげ」と謝辞を述べた。
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あすなろ信用組合
不良債権処理が響く
あすなろ信用組合(本店・松本)は6月29日、長野市内のホテルで第34期通常総代会を開いた。総代124人中103人(委任状46)が出席した。
3月末の決算は、預金額が369億9054万円(前年同期比0・51%増)、貸出金が300億8348万円(同0・54%増)で、預貸率は81・33%だった。自己資本比率は5・22%。
尹昌旭理事長は「顧客支援の一環として『あすなろ生活応援団』を展開してきたが、不良債権処理費用の増加などで赤字決算となった。昨年12月に韓信協合同会社から優先出資2億円を導入するなど、基盤強化を図った。今期は収益体質への改善を図りながら、繰越欠損金の早期解消に努めたい」と語った。
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信用組合岡山商銀
融資顧客を新規開拓
信用組合岡山商銀は6月19日、岡山市内の本店で第47期通常総代会を開き、李根善理事長を再選した。総代106人中77人(委任状22)が出席した。
今年3月末の決算は、預金が183億407万円(前年同期比0・14%減)、貸出金が132億5749万円(同4・74%増)で、預貸率は72・43%だった。配当2%、自己資本比率は7・47%。
李理事長は「預金キャンペーンにおける新規獲得額が20億円近くに達したものの、期末預金高は前期をやや下回った。しかし、融資顧客の新規開拓に努めた結果、貸出金を伸ばすことができた。貸倒引当金の積み増しを行いながら昨年同様2%の配当を実施する」と述べた。
(2009.7.1 民団新聞)