掲載日 : [2009-07-01] 照会数 : 6730
就職差別解消訴える 雇用者対象に講演
[ 講演する金宗洙さん ]
金宗洙青年会長
6月は東京都の「就職差別解消月間」。30日までの啓発期間中、雇用主を対象とした講演会や映画会が都内各地で開かれた。18日には在日3世の金宗洙さん(32、青年会中央本部会長)が日暮里サニーホール会場での講師として招かれ、北、台東、荒川区内の従業員100人以上規模の雇用主約250社を対象に「在日韓国人と人権」と題して約90分間、講演した。 金会長は小・中学校時代、「キン肉マン」「金魚」と名前のことでからかわれ、両親を恨んだことがあった。これは過去のことではなく、いまでも心の傷となって残っていると打ち明けながら、「採用にあたってはその人の出自、属性を尊重し、人物本位で可能性を探ってほしい」と強調した。青年会中央の会長が東京都の人権啓発講演会に招かれ、講演したのは、07年当時の康孔鮮さんに続いて2番目。会場からは「実体験を通じての講演でよく理解できた。差別がないことを望む」「日本と韓国の狭間での苦労話、喜びなどが伝わってきた。われわれも今一度、胸に手をあてる必要を感じた」といった声が聞かれた。
主催団体の東京都労働局によれば、永住韓国人の採用に消極的、ないしは採用後に通称名を強要するといった就職差別事象、あるいは人権侵害は依然としてあとを絶たないという。
(2009.7.1 民団新聞)