掲載日 : [2009-07-01] 照会数 : 8795
「つくる会」教科書阻止へ 各地民団が要望活動
[ 総社市で片岡聡一市長(左から2人目)と田教育長に要望の趣旨を説明する金英雄団長(右から2人目)ら ]
まず岡山が先鞭
【岡山】夏に迫った中学校教科書採択を前に、民団岡山本部(金英雄団長)は6月22日までに県内15市10町2村の各教育委員会を回り、来年度以降使用する歴史教科書の採択にあたっては、韓日両国間の友好を妨げない、最も望ましいと思われる教科書を選んでほしいと要請した。
6月10日の県庁には民団側から金団長と孫泰欽事務局長、アジア国際センターから金昌男代表理事と許東郁副代表が申しし入れを行った。県議会の西岡聖貴文教委員長は「文教委員会を通じて良識ある判断を行う」と約束。岡山市教育委員会でも「良識ある判断」に自信を示した。また、総社市役所では片岡聡一市長が「総社市は以前の市長とはまったく違う。良識ある判断をすることは間違いない」と明言した。 民団は、扶桑社版ばかりか、今春の文部科学省検定に合格した「新しい歴史教科書をつくる会」主導の自由社版中学校歴史教科書についても善隣友好を深めるうえでふさわしくないとの立場に立っており、採択しないよう全国的に要望活動に取り組んでいる。
■□
扶桑社版の撤回迫る 東京でも始動
杉並区教委皮切り
民団東京本部(李時香団長)の要望活動が6月29日、05年に扶桑社の歴史教科書を採択した杉並区教育委員会を皮切りに始まった。
李団長、杉並支部の金勇光支団長のほか、中央本部の鄭夢周事務総長らが同区教育委員会の小林英雄事務局次長に対して、韓国併合の歴史的事実を正当化する扶桑社教科書の採択撤回と、つくる会の内部分裂によって新規参入した自由社の教科書の不採択を強力に求めた。青年会東京本部の朴裕植会長も青年会独自の要望書を手渡した。
李団長は「来年の併合100年を前に、李明博大統領は、未来志向の100年をめざすと語っている。歴史の事実と合致しない教科書は多文化共生の時代の潮流に逆行する」と善処を求めた。小林次長は「皆さんの要望を教育長に伝える」と答えた。
(2009.7.1 民団新聞)