【大阪】日本の公立学校で本名原則を訴え、民族学級の制度保障に尽くしてきた元民族講師、金容海さん(85、大阪市生野区在住)の半生の記録が、『金ソンセンニム‐済州島を愛し民族教育に生きた在日1世』(A5判276㌻、新幹社刊)としてまとめられた。
民族学級の開設から60周年の節目を迎えるのを前にした07年、同胞保護者連絡会を中心とする2世の有志5人が「イルムの会」をつくり、延べ3年がかりで金さんから聞き取りを重ねた労作。
金さんは大阪市立北鶴橋小学校で民族講師として奮闘した36年間を語り、在日済州道民会や光山金氏親族会での活動ぶり、民団大阪本部文教部に籍を置きながら民族教育振興に熱意を燃やしたころを懐かしそうに回顧している。
「イルムの会」が3月19日、大阪市内で開催した出版記念会には民団関係者、民族講師、光山金氏親族会、大阪府・市の教育委員会関係者ら約160人が参加した。元花園大学客員教授の姜在彦さんは、金さんの「筋の通った頑固さ」を称え、民団大阪本部の金漢翊団長は、「金ソンセンニムの生き方を通して民族教育の大切さを実感して下さい」と述べた。大阪市と東大阪市の民族講師会は金さんに花束を贈り、お礼の言葉を述べた。
問い合わせはアプロ社内「イルムの会」(℡06・6711・7050)。
(2011.4.6 民団新聞)