掲載日 : [2017-05-31] 照会数 : 9347
韓商連、新たなスタート…創立55周年
[ 記念式典の会場には華やかな雰囲気が ] [ 金光一会長 ] [ 朴義淳代表理事 ]
1962年2月22日の創立から55年を迎えた一般社団法人在日韓国商工会議所(創立時・在日韓国人商工会連合会)。その節目を記念し、5月19日に東京都内のホテルで創立55周年記念式典及び祝賀会が開かれた。当日は韓日の政財界や全国の同胞経済人など約470人が参加した。昨年5月に約6年にわたる分裂状態に終止符を打ち、新生した韓商連の姿を国内外に示した。
「頼もしい心の支え」
各界から期待と励まし
韓商連副会長で、55周年記念事業実行委員会の全玉勲実行委員長は開会のあいさつで、「我々は、創立55周年記念事業を半世紀以上にわたる韓商連の歴史を再認識し、未来へ向けた新たなるステップを踏み出す契機とすべく、計画しました」と語り、周年事業に対する思いを述べた。
続いて55周年事業の大会長としてあいさつを行った韓商連の金光一会長は、「韓商連は55年の歴史を重んじ、未来に向けて新たな一歩を踏み出しました」と力強く語った。そして、「『団結は力なり』という言葉があります。この言葉のように、全国の地方韓商の皆様と、民団を中心とする在日同胞の皆様とともに一致団結し、一歩一歩、一つひとつ課題に真摯に取り組めば、必ず乗り越えられると確信しております」と出席者に語りかけた。
また、「我々には未来志向の団結が求められています」と前置きした上で「本日の記念事業が在日韓国人商工人の団結、そして在日同胞社会の団結、さらには、本日お集まりの日本の皆様と我々在日韓国人の団結の契機となることを願っています」と締めくくった。
主催者のあいさつに続いて、来賓から祝辞が述べられた。
李俊揆駐日韓国大使は、「韓商連はここ数年、葛藤と逆境を懸命に乗り越え、今、新たな未来に向けてのスタートラインに立っています。創立55周年記念式典は、韓商連が真の統合と団結を成し遂げ、更なる発展のための大事な転機になるでしょう」と期待を寄せた。
在外同胞財団の朱鉄基理事長は、「在日同胞商工人の頼もしい心の支えとして、同胞経済人の経済基盤強化、在日同胞社会の発展、母国と地域社会への貢献のために献身してこられた在日韓国商工会議所の創立55周年を心よりお祝い申し上げます」と述べた。
呉公太民団中央本部団長は、「在日韓国商工人の歴史はすべてが順風満帆だったわけではありません。しかし、韓商連と在日商工人は常に結束を固め、そうしたあらゆる困難を力強く乗り越えて来られました。だからこそ、今日のたくましい姿と結束があるのだと思います」と力強く激励した。
日韓親善協会中央会の河村建夫会長(衆議院議員)は、「韓商連は創設以来、在日同胞社会の生活向上と経済的発展、祖国の経済的発展、地域社会への貢献、国際的な視野での経済交流等をその目的とし、在日韓国人の生活権確立のために、全国規模の経済団体として有力経済人の方々ともども大変尽力して来られました」とした上で、「日韓両国の狭間で時には紆余曲折をし、時には筆舌に尽くし難いご苦労の中、皆様方のご努力と英知でそれを乗り越え今日の55周年を迎えられましたことは誠に称賛に値し、心から敬意を表します」と語った。
来賓祝辞を締めくくったのは大韓商工会議所の李東根副会長。李副会長は、「昨年、第10代会長に就任された金光一会長は地方韓商の活性化と交流促進、韓国とのネットワーク強化、商工人の育成などに重点的に取り組んでおられます。これらを通じて在日韓国商工会議所が在外韓人共同体を代表する団体として一段と飛躍するきっかけとなることを願っております」と述べた。
■□
歴代会長に功労表彰
当日はこれまで同胞商工人の先頭に立ち、韓商連を支えてきた歴代会長(常任顧問)への功労表彰も行われた(写真)。以下、歴代会長のコメント。
韓昌佑第5代会長「ありがとうございます。これからも長生きして頑張ります」
洪采植第6代会長「ありがとうございます。これからも頑張ります」
第7代金建治会長「誠にありがとうございます」
崔鐘太第8代会長「ありがとうございます。今日からまた皆で力を一つにして、未来のために、将来のために、頑張っていきましょう」
朴忠弘第9代会長「ありがとうございます。これまでの皆さんのご支援に感謝申し上げます」
また、約6年間にわたり、韓商統合へ大きな力添えをいただいた、呉公太民団中央本部団長に感謝状が伝達された。呉団長は、「民団と韓商連が力を合わせて在日同胞社会のために頑張ってまいりましょう」と笑顔で語った。
■□
日本バリアフリー協会と民団熊本に支援金
社会貢献
韓商連は在日同胞社会と日本社会において、福祉・教育・民生・学術・芸術文化などの分野に尽力している組織団体に協力することを通じて社会的に貢献をしていく方針のもと、韓商連社会貢献事業を行っている。
今年は、昨年4月14日に発生した熊本地震の被害に対する復興義援金を民団熊本県地方本部(金泰 団長)へ、そして障がい者や高齢者のための生活環境整備を推進するなど社会福祉活動に尽力している特定非営利活動法人日本バリアフリー協会(貝谷嘉洋代表理事)へ支援金を伝達した。
民団熊本県地方本部の金泰 団長(写真右)は、「このような大事なご寄付をいただきまして、心から御礼を申し上げます。これを活かしまして在日同胞の模範となるような仕事をしていきたい」と感謝の言葉を述べた。支援金は地震で崩れた県本部会館の再建費用などに充てる計画だ。
バリアフリー協会の貝谷嘉洋代表理事(写真左)は、「私どもの活動を高く評価していただき、感謝申し上げます。15年目になるゴールドコンサートでは、韓国から障がいをもっている音楽家を招いて出演していただいております。我々も韓国を訪問し、交流を行っています。今後とも日韓の障がい者、そして世界の障がい者の自立、社会参加の拡大にむけて邁進したいと思います」と笑顔で語った。支援金は、バリアフリー協会が主催をしている、国際的な音楽イベント「ゴールドコンサート(組織委員会会長・野田聖子衆議院議員)」の開催費用などに充てられる計画だ。
■□
第1回架け橋パーソンオブザイヤー
榊原定征・経団連会長に
昨年の統合を記念して新設された「架け橋パーソンオブザイヤー」は、韓国と日本の経済分野の関係強化において最も功績のあった個人1人(年1回)に贈られる賞で、今年は一般社団法人日本経済団体連合会の榊原定征会長が選出された。
榊原会長は受賞のあいさつで、「在日韓国商工会議所が創立55周年を迎えることに心よりお祝いを申し上げるとともに、長きにわたり韓国経済の発展ならびにわが国経済への貢献を果たしてこられたことに敬意を表します。栄えある賞の第1回の受賞者に選定していただき、誠に光栄に存じます」と述べた。そして、「経団連として、あらゆる機会を通じて韓国との交流を一層促進し、これまで培ってきた相互理解と信頼関係を基に日韓関係を揺るぎないものとしてまいりたいと考えています」とあいさつを締めくくった。
記念式典の最後は、東京韓国商工会議所会長で、55周年記念事業実行委員会の張永軾副委員長(韓商連副会長)による閉会のあいさつが行われた。張副委員長は、「韓商連そして全国の在日経済人がともに発展できるよう、皆様からの変わらぬ、温かい応援を宜しくお願い致します」と語った。
■□
和やかに祝賀パーティー
記念式典後には、祝賀会が行われた。冒頭あいさつを行った韓商連の朴義淳代表理事は、「我々韓商連は、同胞社会の経済活動の発展と、韓日親善の貢献へ邁進し続けております。つきましては今後とも、皆様方からのより一層のご支援をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます」と述べた。
■□
華添えた金秀姫さん、吉幾三さん
祝賀会では、往年の人気歌手、金秀姫さんと、日本の吉幾三さん(友情出演)の歌謡ショーが行われた。
金秀姫さんは、ブルースの「ノムハンミダ(あんまりです)」や「モンエ(くびき)」、そして「南行列車」などのヒット曲を熱唱し、会場を盛り上げた。
歌謡ショーや楽団による演奏などが行われた祝賀会の最後は、神奈川韓国商工会議所会長で、55周年記念事業実行委員会の趙成允副委員長(韓商連副会長)による閉会のあいさつで締めくくった。
趙副会長は、「『商工会議所は大丈夫なのか』と質問されることがあります。商工会議所は大丈夫です。それを今日お集まりの皆さんが証明してくれました」と語り、会場から大きな拍手がおくられた。
(2017.5.31 民団新聞)