掲載日 : [2017-06-14] 照会数 : 7411
ヘイト根絶と韓日友好増進へ…婦人会大研修始まる
[ 婦人会大研修始まる ]
中北皮切りに全国6地協を巡回
今年で39年目、通算249回となる在日韓国婦人会(朴善岳中央会長)の全国大研修会(韓日文化交流セミナー)が8日、中北地協を皮切りに始まった。愛知県・蒲郡市内のホテルでの中北地協研修には愛知、岐阜、三重、石川、福井、富山の各本部と管内の支部から幹部約150人が集まった。10日までの3日間で韓日関係やヘイトスピーチ根絶など時局問題の講演を受けながら、幹部としての資質向上に努めた。同時に、各地方本部幹部会議では当面課題を論議し、幹部間の連帯を深めた。7月5日の東北地協まで全国6カ所、合わせて約2000人が参加する。
総参加者2000人
開会式で朴会長は「韓国は一時期、大統領不在で混乱したが、文在寅大統領が就任したことによって失墜した信用度を高め、国が再生することを信じている」と述べた上で、「毎年恒例の大研修を通じて、在日の主体性を強く持ち、心ある日本人とともに韓日の懸け橋になろう」と訴えた。
金定子中央本部常任顧問は「幹部の皆さんは一生懸命、学習したことを実践に移し、2期目に入った朴執行部に協力し、課題解決にまい進してほしい」と激励した。
民団中央本部の金成日副団長は「次世代育成、在日同胞社会の大統合、ヘイトスピーチ根絶など、民団と婦人会が一致団結し、当面課題を推進していこう」と呉公太団長の祝辞を代読した。民団愛知県本部の朴茂安団長は「活性化している民団の下支えには、婦人会や信用組合の力量がある」と連帯辞を述べ、駐名古屋韓国総領事館の姜錫煕副総領事は「同胞の皆さんは韓日関係を心配しているが、文新政権は安部首相と電話会談をはじめ、協力関係を始めている。友好関係促進のために婦人会の協力を今後も願う」と要望した。
白眞勲参議院議員は「日韓議員連盟の一員として、今後も日韓友好に尽くしたい」と表明。愛知県本部から河隆實、申龍男両副団長も激励に訪れた。
2日目の講演は、山梨県北杜市で浅川伯教・巧兄弟資料館の館長を務める澤谷滋子さんが、浅川兄弟が韓国に関わり、貢献した一生を紹介した。兄の伯教は今から100年前、白磁の美に魅了され、日本に紹介した。韓半島700カ所の窯跡で白磁の破片を拾い集め、研究したことで知られる。
弟の巧は林業技術者として訪韓し、はげ山の緑化に尽力した。また、韓国の工芸品の美を日本の文芸誌「白樺」に発表し、朝鮮人に対する偏見を告発した。巧が亡くなった時、多くの朝鮮人が棺をかつぎたいと押し寄せた逸話を紹介し、「人と人として対等につきあうことの大切さ」を強調した。
続いての講演は、ベストセラー「日本会議の研究」で第1回大宅荘一メモリアルノンフィクション大賞読者賞を受賞した作家の菅野完氏が「右傾化の正体‐誰がこの空気を作ったのか」と題して話した。
ヘイトスピーチデモに反対するカウンター行動をした経験を紹介しながら、「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せと叫ぶレイシストの差別扇動表現は、『日本会議』の論客の影響を受けている」と断じ、「安倍内閣の閣僚のほとんどが所属する『日本会議』を背景にして、『日本教育再生機構』が教科書採択に圧力をかけ、教科書問題や慰安婦少女像を問題化し、また、朝日新聞攻撃を始めた」と指摘した。
続いて民団京都府本部の王清一前団長が、婦人会歌の一番の歌詞にある「倍達の精気」について、解説した。「倍達」とは「明るい時代の平和の民族」を意味するとされ、朴会長は「韓民族の歴史を子孫につなぎ、ルーツに自信を持って生きるよう会活動に専念する」と改めて強調した。
(2017.6.14 民団新聞)