掲載日 : [2008-02-20] 照会数 : 5548
長生炭鉱水没事故から66周年 慰霊碑建立訴える
宇部で追悼式
【山口】宇部市西岐波の海底炭鉱、長生炭鉱で起きた大規模な水没事故のため犠牲となった韓国人の遺族が、慰霊碑の建立を求めている。今年は事故から66周年。
水没事故が起きたのは1942年。坑道が崩れて海水が流れ込み、183人が死亡した。この7割にあたる137人が韓半島出身者だったとされる。
海底で起きた事故のため遺体の引き揚げはできず、位牌だけ床波の西光寺に残されている。現地には82年、長生炭鉱殉難者の碑が建てられたが、死者の名前はなく、韓国人が犠牲になった事実も記されていない。
床波海岸での第18回追悼式を前にした1日、韓国遺族会(金亨洙会長)と「長生炭鉱の〞水非常〟を歴史に刻む会」(山口武信会長)の関係者13人が県庁と宇部市役所を訪れ、「1日も早く慰霊碑が建立できるよう協力してほしい」と訴えた。刻む会によれば慰霊碑の建立は土地の確保が課題となっているという。
2日の追悼式には駐広島総領事館から徐榮振総領事、民団からも山口県本部の李相福団長ら関係者80人が出席し、遺族による祭祀を見守った。遺族には犠牲者のひ孫にあたる高校生も参加しており、年月の経過を感じさせた。
(2008.2.20 民団新聞)