掲載日 : [2008-02-28] 照会数 : 7191
愚直さのなかに情熱秘め…金宗洙・青年会長
新会長候補の中から一歩抜け出せたのは、ひとえに仲間を率いる情熱と推進力、負けず嫌いな性格だろう。康孔鮮前会長は「最後まであきらめずに取り組む」ところを高く評価する。
器用な性格ではない。企画事業部長として歴史教科書問題で寿隆会長(当時)から全権を委任されたときは、「怪物のような存在」である「つくる会」と泥臭く、真正面から対峙した。外国人記者クラブでの公開討論会もその一つ。当時を振り返りながら「自分の祖父母の思いと足跡が否定されるのは我慢ならなかった」と話す。
石原慎太郎都知事から問題発言が飛び出したときは真っ先に都庁に押しかけ、先頭に立って拳を振り上げてきた。決して抗議活動が好きなわけではない。怒りのあまり、周囲が見えにくくなるのだ。当時の会長からは「怒りでこの運動(歴史教科書問題)をするのではない」とたしなめられたことも。さんは「それでも教科書問題ではいい働きをしてくれた」と振り返った。
小学校の時は級友から本名をからかわれ、悔しい一時期を過ごした。父親は空手を習わせて、心身とも強くなれと教え諭した。高校に進むと、野球に打ち込んだ。何ごとにも真正面から対峙するという性格はこうして培われた。
青年会は昨年、結成30周年を迎えた。夏の青年ジャンボリーに参加した600人の青年と、どのようにきめ細かいネットワークを築いていくのかが目下の課題だ。金さんは「多文化共生社会という大きな目標の実現に向かって情熱と行動力で勝負したい」ときっぱり。
(2008.2.27 民団新聞)