掲載日 : [2008-04-25] 照会数 : 10551
関西音楽コンクール連続4回出場めざす建国吹奏楽部の強味
[ 関西音楽コンクール出場に向けて練習する建国中高吹奏楽部のメンバー ]
公演に会場問わぬ
中・高一貫で練磨
【大阪】白頭学院建国中学・高等学校吹奏楽部の評価が最近、とみに高まっている。その実力のほどは2月、地元大阪市住吉区の住吉区民ホールのこけら落としに招かれて公演したことでも実証済み。同校クラブでは、韓国で「大統領賞」に輝いた伝統芸術部と、全国大会にも出場した女子中学校バレーボール部が有名だが、どうしてどうして吹奏楽部の実力も侮れない。その強味は?
同校吹奏楽部が公に認められるようになったのは、ここ数年のことだ。関西音楽コンクールには地区予選、府大会を勝ち抜き、05年から連続3回の出場を記録している。成績は第1回目こそ「奨励賞」だったが、06年から2年連続で「最優秀賞」に輝いた。
クラブの歴史をたどると、吹奏楽部の発足は解放直後の白頭学院創立とほぼ同時だ。63年前、北区の中ノ島公会堂で開かれた第1回光復節式典の際には、街頭で行進する隊列の先頭に立って演奏し、同胞を鼓舞した。
長い歴史と伝統を誇るクラブだが、対外的な発表の場が限られていたこともあり、練習の成果が公に認められることは少なかった。7年前からクラブ顧問を務めている前田教諭は、就任時を振り返り、「創立当時の力強さとはかけはなれ、遊びクラブのようだった」と振り返る。
前田教諭は吹奏楽部生徒たちの対外公演を増やして、練習の成果を生かせるようにした。小さな会館や教会など、発表できれば会場は問わなかった。これがカンフル剤の役目を果たした。緊張のあまり練習の成果の半分もだせなかった生徒が悔しがって練習に取り組み、回を重ねるごとに自信をつけていった。
高校3年の康民瑛部長はトランペット担当。入部し今年で6年目を迎えた。出身は生野区の御幸森小学校。建国中学校に進んで入学式で吹奏楽部の演奏を聴き、「体が震えるほど感動した」ことから入部届けを出したという。中・高一貫校も建国の強みだ。
12日、阿倍野区民センターで開かれた第7回定期演奏会では、近隣の実力校でもある墨江丘中学校吹奏楽部と初のコラボレーションを行った。墨江丘中学校吹奏楽部の松枝祐芳さん(中学2年)は「演奏の音が熱く、勢いがあって驚いた」と感想を語った。同中学校顧問の田里宜資子さんも「少人数制ながらまとまっていて、頑張りが伝わってきた」と話していた。
今年の演奏会では在日3世の作曲家、朴守賢さんの作品を積極的に取り上げた。なかでも「ダイナミックソウル」は霊南サムルノリのリズムを生かした作品。西洋の楽器で東洋のリズムを刻み、会場を大いに沸かせた。
今年も連続4回目の関西大会出場を目標に練習に励んでいる。
前田教諭は「生徒たちみんなが心をひとつに日々のクラブ活動で目標に向かって進んでいく力を育成していきたい」と語っていた。
(2008.4.30 民団新聞)