民団の後継幹部を育成するための「2015次世代リーダーワークショップ」が3、4の両日、東京都内のホテルで開催された。後継者育成に焦点を絞った今年度は、対象年齢を10歳下げ、全国の30代から50代までの民団、婦人会、青年会幹部ら約100人が当面課題を共有し、班別討論、パネルディスカッションを通じて、基本活動を再確認するとともに、次代の民団像について活発に意見を交換した。
支部活性化成功事例を熟議
同ワークショップは昨年、初の試みとして開催し今回が2回目。来年、創団70年を迎える「民団の歴史」を映像で振り返った後、河政男事務総長が「同胞社会の現況と民団の役割」について基調報告した。
河総長は、戸別訪問など組織の基本活動の重要性とあわせて、昨年度のオリニ事業参加者の国籍が韓国籍と日本籍がほぼ半々という同胞社会の構造変化を踏まえ、日本籍同胞を迎え入れる組織の雰囲気づくりと生活に密着した活動を拡大すると同時に、韓日の懸け橋役の強化が時代の要求だと強調した。
この後、模範的な支部の成功事例が紹介された。財政確保が良好な兵庫県西宮支部のモットーは「事業をしてこそ資金が生まれる」だ。団員との接点を拡大するために高齢者「憩いの場」事業を01年に立ちあげた。当初は5人程度だったが、韓国歌謡カラオケ教室や工場見学、ホタルを楽しむ会など、多彩なサークルを定期開催することで高齢者のみならず幅広い世代の男女30人が集まる場に発展した。「7月には朝鮮通信使遺跡を訪ねて、たつの市立室津海駅館にも足を伸ばした」と金貞守事務部長は実績を語った。
京都右京支部は若い世代を対象にした「婚活事業」で活路を見い出した。年4回のペースで過去3年12回開催した。昨年、近畿2府4県が初共催し180人を超える参加者でにぎわったブライダルパーティにも積極的に参加を呼びかけた。報告した朴剛史支部副団長も「婚活パーティー」参加でゴールインした経験者。「まだまだ民団に接する機会の少ない同胞が多い。来月の近畿地協主催のパーティーには多くの対象者に呼びかけたい」とアピールした。
2日目は、支部運営に関する事例を中心にした規約解説に続き、10班に分かれた分任討議、地域活性化をテーマにパネルディスカッションが行われた。全体総括では、林三鎬中央本部副団長が、日本国籍同胞とその子弟を後継者育成の対象に含めることを提示した。また、「役員のための民団」というイメージからの脱皮を図り、団員との段差をなくすために、戸別訪問の徹底はもとより、総連からの移籍者や新規定住者など、それぞれの対象に向けた施策の重要性を強調した。
呉公太中央本部団長は開会あいさつで、「これまで全国約170支部を巡回訪問し、意見交換をしながら、苦しい支部の事情を理解した。民団の中核である皆さんが、知恵を出しあって次世代につなげるには、学ぶことから始めなければならない」と奮起を促した。
(2015.10.14 民団新聞)