掲載日 : [2016-01-15] 照会数 : 10448
<民団新年会>韓日「新50年」元年に…「慰安婦合意」履行を
民団中央本部・東京本部合同主催の2016年新年会が13日、都内のホテルで開かれ、首都圏をはじめ全国主要本部の幹部や韓日両国の国会議員、友好団体代表を含め600人が参加した。参加者は、韓日国交正常化50周年の昨年末の両国外相会談での「日本軍慰安婦問題」最終的解決合意が着実に履行され、今年が新しい韓日50年を一緒に開いていく元年になるよう尽力し、在日同胞を標的としたヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)の根絶および韓日親善友好増進のためにこれまで以上に力を合わせることを確認した。
創団70年 一層の友好期す
中央本部の呉公太団長は開会のあいさつで、長年にわたり韓日間の最大の懸案だった「慰安婦問題」に関する12月28日の合意について、「さまざまな葛藤を乗り越えて英断を下した朴槿恵大統領と安倍晋三首相のリーダーシップに対して、民団は敬意を表するとともに、地道な両国の外交努力がもたらした歴史的合意を高く評価し、歓迎する」と表明。「この合意が速やかに、かつ完全に履行されるよう、民団も民間次元で韓日の懸け橋としての役割をいっそう強化していく」と力説した。
呉団長は、「私たち在日韓国人が最も解決を急がなければならないのが、日本のヘイトスピーチや嫌韓報道といった、私たちを露骨に攻撃する差別行為の根絶だ」と力説。「民団では『差別禁止法』の制定を求める地方議会への陳情活動を継続している。昨年12月現在で300に迫る意見書採択がなされた」と指摘し、「この追い風を受けて、継続審議状態にある法案が次の国会で必ず成立するよう、一致団結し、全国の組織を挙げて立法化を勝ち取っていこう」と呼びかけた。
呉団長は「民団は今年で創団70周年を迎える。在日同胞の地位向上と本国との紐帯強化を柱に、在日の生活者団体として同胞社会をリードしてきた。これまでの実績を踏まえ、これからは同胞社会の主軸になっている3世世代への円滑な世代交替、すなわち次世代育成を急ピッチで推進しなくてはならない」と強調した。
最後に、「4月には本国の国会議員選挙が実施される。国政参加に道を開いてくれた本国との絆を深めるためにも、選挙権を有する団員すべてが大事な一票を投じるようにしよう」と呼びかけた。
柳興洙駐日大使は、「盤石な安保態勢で北韓の挑発に断固と対応しながら、対話の扉は常に開き、平和統一の韓半島時代に向かって進んでいく」と強調した朴槿恵大統領の新年辞を代読した。
「ヘイトS根絶 超党派で」
日本側来賓として額賀福志郎・日韓議員連盟会長(自民党衆議院議員)、河村建夫・日韓親善協会中央会会長(自民党衆議院議員)、岡田克也・民主党代表、高木美智代・公明党政務調査副会長、山下芳生・日本共産党書記局長、吉田忠智・社民党党首が、それぞれ祝辞を述べた。
各党代表らは、韓日間の最大の懸案であった「慰安婦問題」について、昨年末に政府間で「最終的・不可逆的解決」に合意したことを「新たな関係の構築に向けての大きな第一歩が記された」と歓迎。「両国関係は新しいスタート台に立った。お互いに誠意を持ち着実に合意を実行することが大事だ」「今回の合意とそれに基づく措置が、元慰安婦の方々の人間としての名誉と尊厳を回復し、問題の全面的な解決につながるよう努力しなければならない」「いろいろ難しい問題が残っているかもしれないが、政治家同士、しっかりこれを乗り越えていきたい」「両国の政治家だけでなく国民レベルでさらに絆を深めなければならない。お互いに努力してよい関係をつくっていこう」などと述べた。
また、「両国の懸け橋」の役割を果たしている民団への期待をあらためて表明し、ヘイトスピーチについては「なんとしても根絶しなければならない」「根絶にむけ法整備を速やかに進めたい。この問題には与党も野党もない」と、根絶へ尽力することを約束した。
韓国側来賓は徐清源・韓日議員連盟会長(セヌリ党最高委員)と金守漢・韓日親善協会中央会会長(元国会議長)がそれぞれ祝辞を述べた。両氏は、「政府間の合意事項の誠実な履行と相互信頼関係の強化へ、政治家が引き続き努力しなければならない」「両国の関係は、双方の国民一人ひとりが力を合わせ心を通わせ交流を進めることで親密度を増し発展する」と強調した。
(2016.1.15 民団新聞)