掲載日 : [2017-05-10] 照会数 : 10245
在外選挙投票率75・3%に増…在日は減少の56・3%
[ 大統領選挙の在外投票受付をする有権者(東京) ]
4月30日に締め切った在外選挙の投票数、投票率の結果が出た。中央選挙管理委員会の発表によると、在外有権者数29万4633人中、歴代最多の22万1981人が投票し、投票率は75・3%だった。前回の第18代大統領選挙の投票数15万8225人よりも6万3756人(40・3%)増加したことになる。
しかし、日本地域は前回の第18代大統領選挙が3万7342人の登録・申請中、投票者が2万5312人で投票率67・8%。今回は3万8009人と登録・申請数が増えたにもかかわらず、投票者は2万1384人、投票率は56・3%と減少した。
その一方で、在米韓国人は4万8487人で71・1%(前回は71・6%)と現状維持、在中韓国人は3万5352人で80・5%(同68・2%)と大幅に投票率を伸ばした。
1,在日韓国人の投票率減少の原因は何か2,今後の大統領選で在日票を伸ばす対策は何か3,新大統領は在日を含む海外国民政策をどう推進すべきか、有識者に聞いた。
■□
韓国系学校の設立に支援を
大阪市立大学大学院・朴一教授
在日韓国人の投票率が減少した大きな理由は、やはり慰安婦問題に関する日韓のねじれが挙げられる。今回、当選が予想される二人の候補のどちらが当選しても慰安婦問題に決着をつけるとする日韓合意を見直すと表明しており、もしそうなれば朴政権期以上に日韓関係が暗転したり、迷走する可能性もあり、在日に対する風あたりも強くなるのではないか。そうした懸念が投票率に反映していると思う。在日票を伸ばすには、韓国の大統領自身あるいはブレーンによる日本での政策説明会が実施されることが望まれる。
海外国民政策では、日本における韓国系の民族学校、とりわけ幼少期の民族教育を徹底した韓国系の小学校の設立を支援する政策を具体化すれば、将来の有為な人材形成につながると思う。また、韓国の公的機関への在日の人材登用策も具体化していただきたい。
(2017.5.10 民団新聞)