掲載日 : [22-02-11] 照会数 : 7258
「大阪コリアタウン」誕生…3商店街がスクラム
[ にぎわう「大阪コリアタウン」 ]
[ 洪性翊理事長 ]
統合し法人化 在日3世が理事長に
【大阪】「生野コリアタウン」の通称で親しまれてきた御幸(みゆき)通、御幸通中央、御幸通東の3つの商店街組織が統合し、1月から一般社団法人「大阪コリアタウン」の名称でスタートを切った。法人化は昨年12月。初代理事長には在日3世の洪性翊さん(65)が就任した。イベントやキャンペーンなど様々な企画を準備している。また、「コリアタウン資料館」(在日資料館)の建設も計画中だ。
「大阪コリアタウン」はJR鶴橋駅から南東へ10分ほど歩いたエリア。東西500㍍ほどに120店舗が軒を連ねており、年間100万人が来訪する。
同エリアはかつて「朝鮮市場」と言われ、在日韓国人が顧客の中心だった。店主の高齢化により一時、衰退が懸念されたが、88年ソウルオリンピックや韓日共催サッカーワールドカップの開催、韓流で人気スポットに。コロナ禍、韓国旅行ができない昨今、週末や連休になると他県から多くの若者が訪れ、韓国の雰囲気を味わっている。
洪理事長は「大阪の財産はベトナムや中国など東南アジアの在留外国人が多いこと。共生をキーワードにおもしろい街をつくりたい」という。
統合については20年前から話はあったという。商店街組織の意見やそれぞれの特色などをひとつにすることは、なかなか話がまとまらなかった。
観光客が増えるにつれ、食べ歩きのゴミやトイレ問題について対応する共通のルール作りが課題に。3商店街が合同で会議を重ねる中で「やはり、商店街がひとつになることで、ゴミの問題や公衆トイレ、防犯カメラなどの公共財の管理運営を効率化できる」ということで意見がまとまった。
昨年4月にはコリアタウン内にある御幸森第2公園に韓国政府や民団大阪本部、地域住民の協力のもと、住民待望の公衆トイレが完成し、観光客からは喜ばれている。
京都から訪れたという30代の日本人女性3人組は「食べ物が美味しく、韓国の化粧品も買えるのでうれしい」と話していた。また、愛知から訪れた日本人姉妹は「アイドルのグッズを買いたくて。夕食は韓国料理を食べるのが楽しみ。トイレもきれい」とコリアタウンを満喫していた。
洪理事長は「大阪市観光局や韓国からも注目されている。今後、3商店街だけでなく、隣接している鶴橋や東成区のお店も大阪コリアタウンの会員になってもらい、共に活性、共生できるようにしていきたい」と話す。
(2022.02.02 民団新聞)