掲載日 : [2010-12-01] 照会数 : 4693
「北韓の実態を知って」 在日脱北者が街頭で人権訴える
[ ビラを配る南新一さん ]
【大阪】北韓の3世代世襲と核開発に反対し、拉致日本人を返せと訴えながら毎朝、大阪市内の上本町駅近くに立ちつづけている。プラカードに書いた「3代世襲」「核開発」「拉致日本人」は赤文字だけに、否が応でも目に飛び込んでくる。
街頭で訴えているのは在日脱北者人権連合(NKDJ人権連合)のメンバーたち。メンバーの一人、南新一さん(仮名)は北韓に残した親族を慮ってか、顔が分からないように帽子を深くかぶっている。街頭行動は地下鉄鶴橋駅の改札口前で11月15日からスタートした。1週間の予定だったが、総連大阪本部の所在地とあって、トラブルを心配する警備当局の要請で19日から上本町に移った。毎朝8時から手作りのチラシを配っている。鶴橋では1週間で300枚をさばいた。南さんは「手応えがあった」という。
南さんは大阪市住吉区生まれ。父親は総連の専従活動家だった。北送事業に陰りが見え始めた70年代半ば、総連は幹部子弟に「帰国」を促した。南さんは「最高の大学に行かせてやる。職業も保障する」との話に飛びついた。北韓では「最高のエリート大学」と同大学院に進み、研究所に勤務した。
95年に深刻な食糧不足に見舞われてから脱北の機会をうかがうようになった。いざとなればその場で死のうと、胸に毒薬をしのばせ決死の覚悟で鴨緑江を越えた。日本人支援団体の協力もあり昨年の夏、北京から一家4人で入国を果たした。
南さんは「北韓ではいまでも自由がないと言っただけで警察に捕まります。なんの理由もなくスパイ容疑をかぶせられ、家族全員収容所に送られた人たちもいる。そうした北韓の実態を知ってもらいたかった」と話す。
(2010.12.1 民団新聞)