財団設立を決議
東京で韓日議員協議会
韓日の国会議員有志は2月25日、衆議院議員会館でサハリン残留韓国人問題を協議し、残された懸案の解決のため韓国と日本との共同事業で基金(財団)を設立していくとの決議文を採択した。
基金はまず、韓国側がリーダーシップをとって出資し、日本政府や日本の企業にも働きかけるというもの。この資金で59万口座、約1億8000万円にのぼる未払い郵便貯金の払い戻しのほか、サハリンでのアパートや歴史会館建設、2、3世の留学費用を支援していきたい考えだ。
通帳保持者11人を原告に07年から日本政府と郵政民営化後の会社に対して2000倍による精算を求めて裁判闘争中の高木健一弁護士は、「法定利息を付した額『4〜5倍』という郵政事業庁の回答はあまりにでたらめだ。基金設立を完全解決へのステップにしていく」と決意を述べた。
サハリン残留韓国人の故郷への一時帰国はこれまで1万5000人を数えた。また、1世高齢者夫婦に限られた永住帰国も3700人に達した。ただし、永住帰国者がサハリンに残してきた2、3世家族と再会するための一時帰国(逆訪問)は日本政府の負担で01年に初めて実現したが、いまだに定期事業化に至っていない。永住帰国した高齢者のための医療、介護の問題も懸案課題だ。
韓国国会サハリンフォーラムから共同代表の李柱栄・朴宣映両議員をはじめ黄佑呂議員、金泳鎭議員ら、日本側からサハリン問題国会議員協議会の土肥隆一議員(民主党)、紺野東議員(民主党)、社民党の阿部知子議員、共産党の笠井亮議員らが出席した。
高木健一弁護士に韓国「議員人権賞」 日本人初の受賞
韓国の国会議員で構成する研究団体「国会人権フォーラム」(黄祐呂代表)はこのほど、「第5回今年の人権賞」受賞者に高木健一弁護士(第2東京弁護士会人権擁護委員、写真)を選んだ。授賞式は衆議院議員会館で開かれた「サハリン残留韓国人問題に関する韓日議員協議会」の会場で行われた。同賞が外国人に贈られたのはこれが初。
高木弁護士が73年の弁護士開業以来、サハリン残留韓国人をはじめとして日本による戦争被害者の人権保護に一貫して取り組んできた功労を称えた。高木弁護士は、「サハリン問題に取り組んできた一人として社会的に評価されたことを喜ぶ」と語った。
高木弁護士の「いちばんの思いで」は、サハリン残留韓国人の日本訪問が増加し始めた88年、独自の受け入れ組織「サハリン残留韓国人支援会」をつくり、90年までの3年間で計1000人を招請して韓国の留守家族との40年ぶりの再会を実現させたこと。この再会事業は日本政府に引き継がれ、韓日両国赤十字社による共同事業に発展していった。
(2011.3.8 民団新聞)