掲載日 : [2021-03-31] 照会数 : 5048
2年度分11件に助成証書を授与…韓昌祐・哲文化財団
[ 韓昌祐理事長夫妻と19、20年度の受贈者たち ]
公益財団法人韓昌祐・哲文化財団(韓昌祐理事長、東京都千代田区)は11日、東京・新宿の駐日韓国文化院で2020年度助成証書を授与した。この日は昨年、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から延期していた19年度の助成証書の授与式も併せて行った。
式典は姜昌一駐日韓国大使をはじめ、伊吹文明衆議院議員(自民党)、河村建夫日韓親善協会中央会会長(自民党衆議院議員)を来賓に迎え、全体の参席者を50人以内に限定した。
20年度は個人41件、団体18件の申請があった。このうち、受贈者に選ばれたのは個人2件、団体2件の計4件。助成金額は合計600万円だった。
李泳坤さん(ドキュメンタリー映画監督)は助成金150万円で韓日の両プロ野球界で活躍した在日同胞の張明夫選手の生涯を再評価するドキュメンタリー映画「玄界灘の落ち葉」を制作する。
張選手は投手として読売巨人軍を経て南海ホークス(当時)と広島東洋カープで活躍。80年代初頭には海を渡り、プロ野球草創期の韓国で驚異的な成績を残した。これから1年半かけて制作し、韓国と日本での劇場公開をめざす。李さんは「韓国人が忘れた在日同胞の献身について考える作品にしたい」と語った。
横内裕人さん(京都府立大学文学部歴史学科教授)は韓半島や中国から長崎県対馬に伝わった渡来経典の調査をほぼ終えた。この中には日本国の重要文化財に指定された経典もあるが、一般には公開されていない。150万円の助成金をもとにこれまでの研究成果を朝鮮渡来経典の知悉目録として刊行する。
なお、19年度は個人3件、団体4件の合わせて7件について1174万9000円を助成した。
(2021.03.31 民団新聞)