掲載日 : [2021-04-14] 照会数 : 5243
都立小山台と立川高校の夜間定時制存続求める…市民団体
[ 両校定時制廃止に反対する各代表(都庁) ]
都立小山台高校夜間定時制(品川区)と都立立川高校定時制課程(立川市)の閉課程(廃止)に反対している複数の市民団体代表が8日、都庁記者クラブで会見し、都民に存続を求めるアピールを行った。
都教委は在籍生徒が年々減少していることなどを理由に2016年2月、両校を含む定時制4校の単独廃止を計画。すでに雪谷は18年度から、江北は19年度から募集を停止している。小山台と立川については存続を求める声の広がりを受け、22年度まで生徒募集が続く。ただし、その後は未定。今年10月の教育委員会で決まる。
会見した元都立高校定時制教員の多賀哲弥さんは「なぜこの4校をつぶすのか。理由が明らかにされていないのは学術会議と同じ。都教委の定時制軽視が根底にあるのでは」と疑問を提起した。
大東文化大学元学長の太田政男さんは「定時制の教育は不登校や外国にルーツを持つ子どもたちにとって大切な場所になる。存続の方向で考えてほしい」と訴えた。
小山台は外国籍や外国につながる生徒が多く在籍する。文部科学省や都教委の人権教育推進校であり、大学やNPOなどと連携し、多文化共生や外国人差別を考える授業などに取り組む。一方、立川はおよそ225人の生徒が学ぶ都内でも最大規模の夜間定時制だ。
小池都知事は3月9日の都議会定例会予算特別委員会で「夜間の定時制高校は不登校を経験した生徒、そして外国人の生徒などの学びの場となっている。存続を求めるなどさまざまな意見があることは承知している」と踏み込んでいる。
(2021.04.14 民団新聞)