掲載日 : [2021-04-20] 照会数 : 8496
韓国キャラクター業界が日本進出へ出展…コンテンツ東京
[ シオン・エンターティメント社のララスターズのキャラクター ] [ ストリング・スタジオ社のキャラクター(左からAZe、ゴロンの友達、シュウンとジナ、ボブプール) ] [ コンテンツ東京の韓国パビリオン会場 ] [ カン・ハンナさんの特別講演 ]
コンテンツ制作、映像・CG制作・広告デザイン・ブランディング、権利・IT・最先端デジタルテクノロジーなど、日本最大のコンテンツビジネス総合展、「コンテンツ東京2021」が16日までの3日間、東京ビッグサイトで開かれた。
「ライセンシングジャパン」「クリエイターEXPO」「映像・CG制作展」「コンテンツ マーケティングEXPO」「先端デジタルテクノロジー展」「広告デザイン・ブランディングEXPO」の全6展から構成する同総合展は16日までの期間中、メディア、エンターテイメントや企業の宣伝・マーケティング部門の関係者が来場し、活発な商談が行われた。
世界中のキャラクター、ブランドが出展する展示会「第11回ライセンシングジャパン(キャラクター&ブランド活用展)」に韓国貿易協会(KITA)が韓国パビリオンを設け、韓国国内のアニメキャラクター商品を中心に、ベンチャー企業を含む約10社が出展した。
とくに韓国では最近、キャラクターを活用した商品が人気。ドラマにキャラクター商品が登場することも多く、これを見たユーザーたちが関連商品を購入するという効果が現れている。
各社のブースにはアニメ、ゲーム、絵本、イラスト、商品、映画・テレビ、SNSなどのキャラクターが並び、来場者の目を引いた。
玩具や雑貨、絵本、雑誌などの商品化をめざしてキャラクターライセンス事業を開始した「ストリング・スタジオ社」では、孤独で平凡なおじさんの日常話をテーマにした「Aze(アジェ=おじさん)」、肥満猫とかわいい女の子をテーマにした「シュウンとジナ」、過労で挫折したキャラクターを通して、現代人の痛みを表現することで、共感と安らぎのメッセージを伝えるキャラクター「ゴロンの友達」、お米をかわいく表現した「ボブプール」など4種類のキャラクターを紹介した。 女性や子ども向けプロパティを手がける「スタジオ・レイジー・レディー社」では雑貨や文具の商品化素材として、青りんごを味わう猫を描いた「奇妙なこだわり」、各種ペットの性格を表現する「オーラの肖像」、スマイルを満載して走るトラックを題材にした「ハッピー・トラック」などを紹介した。
このほか、ゼノピクス社では農場キャラクターの日常を描いた「ここるり」、BEYOND社は48種類の動物や交通手段をキャラクター化し、子ども向けの8カ国語単語パズルカードなどの教育商品を紹介した。
慶尚北道聞慶市の観光活性化のキャラクターに選ばれ、3Dアニメを制作したシオン・エンターティメント社の「ララスターズ」も来場者の目を引いた。
ララスターズはウサギの「バーニー」、聞慶市に生息するリスの「ラムジー」、カワウソの「ダリー」、ツキノワグマの「ゴミ」、ひよこの「ポッポ」、赤ちゃん練炭の「タニー」、音楽を聴く五味子の「オミ」など、聞慶市の7種類のキャラクターたちで構成したグーループだ。
商談会は韓国とネット結ぶオンラインで行った。 各社とも中国や台湾など中華系で海外進出をすすめているが、アニメやキャラクターの先端を行く日本市場での韓国コンテンツ商品化をめざしている。
韓流コンテンツの流れ解説 カン・ハンナさんが特別講演
同展示会と併行して行われた各種セミナー特別講演のひとつ、タレントでもあり、国際社会文化化学者(グローバルコンテンツ研究)でビューティーと関連する様々なビジネスを展開する会社を経営するカン・ハンナさんと動画配信事業の「AbemaTV」常務の小池政秀さんによる「日韓コンテンツ戦略」の講演が行われた。
この中で、カンさんは2000年代から始まった韓流ブームの変遷を説明しながら、現在の韓流コンテンツの流れを述べた。
BTSや映画「パラサイト」など、今や世界的規模で韓国コンテンツが成功した要因として、アーティストをはじめ、エンターテイメント業界とコンテンツ業界などが①新人開発チームやコンテンツ開発に巨大な投資をする「選択と集中」②完璧な成果主義であり、ある意味平等な「当然の競争と優秀人材の集合」③ライバルは韓国でなく世界だという業界ウインウイン関係の「産業活性化共同体」④最も韓国らしいことが世界的になるという「オリジナリティとトレンドの融合」の4点の戦略が功を奏していると提示した。
とくに、かつてはライバル同士である業界間は「対立の構造」が続いていたが、ここ数年はコラボレーションするなど、協力関係を持ちながら戦略を進めることで「ウインウイン」の関係を築いた。また、SNSを最大限に活用し、世界で同時進行させたことも世界化に繋がったと所見を述べた。
日本のコンテンツのグローバル化には、意外と気づいていない、「当たり前のように思っている日本のオリジナリティ」を世界に発信していくことが必要だと述べた。
(2021.04.28 民団新聞)