掲載日 : [2021-08-04] 照会数 : 4064
次代に誇る在日史編さん…在日2世の金床憲さん
[ 金床憲さん ]
韓国建国前に資金支援…ロンドン五輪初出場
歴史研究家で絵本作家の肩書を持つ在日韓国人2世の金床憲さん(59、NPO法人podcastkorea放送局局長)が独自の視点で検証を重ね「在日を取り巻く年表」を作成した。
金さんが着目したのは建国前の韓国がロンドンオリンピック(1948年)に初出場した際、在日同胞が選手団を資金面で支援した事実。54年のサッカーW杯スイス大会に韓国が初出場できたのも朝鮮建国促進青年同盟(建青)があったからこそだった。建青は資金不足にあえいでいた大韓蹴球協会の借金を肩代わりし、日本との最終予選や本大会出場費用を賄った。
この2点は赤地地紋に白抜き文字を使い、特に目立つ扱いにした。金さんは「韓国のスポーツ界は在日に足を向けられない。プロ野球にしてもしかり。在日の貢献は永遠に残る歴史だ。在日の次世代は自負心をもっていい」と強調した。
在日史を取り巻く年表づくりは1965年の「韓日基本条約の内幕を知る為の参考資料」づくりから始まった。韓国は請求権並びに経済協力協定に基づき日本から得た資金でインフラを整備し、企業投資で経済発展の基礎を築いたが、日本側の一方的な恩恵供与という主張には「現実とかけ離れている」と懐疑的な立場に立つ。
資料は四つ折り。「在日を取り巻く年表」のほか「日本の近代史年表」、見開き2㌻を使った写真入り図解「韓日条約締結の裏で暗躍した満州国ライン」など。定価500円。問い合わせはメールpodcastk2019@gmail.com
(2021.08.04 民団新聞)