掲載日 : [2020-10-28] 照会数 : 5565
外国籍排除に一石…民団大阪が「住民投票シンポ」
[ 開会式であいさつする呉龍浩団長 ]
【大阪】民団大阪本部(呉龍浩団長)は11月1日に行われる大阪都構想の住民投票を前に、17日、大阪韓国人会館で「みんなで考えよう!住民投票シンポジウム」を開催した。外国籍住民に投票権が付与されないという問題を提起するとともに、外国籍住民の視点からみんなで考えようというのが目的。
参加人数はコロナ感染拡大防止を考慮し120人に制限、団員らほか、駐大阪総領事館の丁南洙領事はじめ、婦人会大阪本部の朴米子会長、民主平和統一諮問会議日本近畿協議会の崔寶仁会長らが出席した。
開会式で呉団長は「民団は、多文化共生の実現に向けて尽力している中、住民の投票権付与までは至っていない。地域住民として、地域で決める時は、住民の意思も尊重されるべきではないかと思う。そのためにも、在日、そして民団が強くなければならず、地域から尊敬、頼られる力を持たなければならない。今日のシンポジウムを聞きながら、民意を広げていこう」と呼びかけた。
同本部の朴鍾寛事務局長が「地方参政権獲得運動の歩み」と「なぜ外国籍住民が投票できないのか」について発表した。 続けて朴一教授(大阪市立大学)が、「都構想をめぐる住民投票に外国籍住民の声を反映させよう」と題して、住民投票が実施されることになった経緯や問題点などについて基調講演した。
朴教授は、大阪市には住民比率の5%を超える14万人超の外国籍住民(143カ国)が暮らしており、彼らの声を無視し反映させない特別区構想は、少子高齢化で人口減少危機にある都市行政の未来に影を落とす可能性が強いと指摘。「外国籍住民によるバーチャル住民投票の実施や、特別区に外国籍住民の声を区政に反映させる審議会の設置を求めるなど、ここで怒りの声をあげなければ」と強調した。
崔俊一同本部文教部長が司会を務めたパネルディスカッションでは、パネリストに、在日韓国人2世の梁評守さん(民団同本部人権擁護委員会副委員長)、在日中国人2世の趙知理さん(大阪華僑総会会長)、ペルー生まれの日系4世の宮多良ディスネルさんを迎え、自身の生い立ちなどそれぞれの立場から意見を述べ、外国籍住民の諸問題について討論した。
(2020.10.28 民団新聞)