オリニ事業出身者も
「成人の日」の10日を前後して、同胞団体主催の成人式が各地で開かれた。参加者の中にはオリニジャンボリー経験者も見られ、民団の次世代育成事業が着実に成果を上げていることをうかがわせた。
韓服で自己主張後輩育成を誓う…民団大阪本部
大阪韓国人会館で開かれた9日の「成人の日記念の集い」(民団大阪本部主催、金漢翊団長)には新成人72人が参加した。女性は大半がチョゴリ姿。男性も尹翔太さんと洪浩さんの2人は韓服姿でさりげなく自らのアイデンティティーを誇示していた。
尹さんは、「20歳になったことで縛られない自由がありますが、それだけまた責任感を自覚しています」と語った。建国学校で韓国伝統芸能を学んだという洪さんは、「韓服はこの日のために親がプレゼントしてくれた」と話していた。将来は「自分が先輩に民族教育・文化継承を指導してもらったように、英語の教師になって後輩の育成に寄与していきたい」と抱負を述べた。
同本部が実施したアンケート調査によれば、参加のきっかけは「自分が在日韓国人だから」というものが半数。また、「民団主催の母国訪問事業に参加したことがある」と答えた参加者も半数を占めていた。
大阪市立生野中学校第57期卒業生は大勢で一つのテーブルを囲み、あたかも同窓会のよう。金利晃さんは、中学校で朝文研に入っていたことが参加するきっかけになったという。金貴弘さんは民団大阪本部会館を訪れたのはこれが初めて。「こんな立派な建物だったんですね。すばらしいです」と驚きの声を上げていた。
金団長は、「皆さんは無限の可能性を持っています。大きな夢や希望に向かって、挑戦していってください」と激励した。記念品は大手焼き肉店の食事券や『在日コリアンの歴史』、DVD「ドキュメンタリー韓国民団」など。
学生会に参加し仲間作りに貢献…民団東京本部
民団東京本部(金龍濤団長)は9日、韓国中央会館に新成人36人を迎えた。主管は青年会東京本部。
新成人を代表して答辞を述べた高郁実さんは昨年のオリニジャンボリーにリーダーとして志願。「今年は学生会にスタッフとして加わり仲間作りに貢献し、民団事業にも積極的に参加して在日としての意識をもっと高めたい」と抱負を語っていた。
医療系の学校に通う高清さんは、「次世代として韓国と民団の歴史を重んじつつ、新しいことにチャレンジし、在日韓国人として自信を持って医療の現場で活躍したい」と夢を語った。
許絢加さんは、「25歳までには結婚したいですね。でも、それまでにしっかりと韓国語を覚えたい」とあっさり。
学生会の誘いで参加したという尹遼植さんは、「就職なども含め不安はあるが、負い目を感じることなく、ひとりの成人として大きく堂々と進みたい」と力強い。
新年会会場でこぞって祝福…全国各地で
民団北海道(金泰勲団長)では7日、札幌市内のホテルに全道から3人が参加。金団長をはじめ婦人会、青年会、あすか信組から記念品が贈られた。
民団宮城(李根団長)は8日、韓国会館にチョゴリで着飾った2人の新成人を迎えた。2人ともオリニ時代から様々な民団行事に参加してきた。このうち、朴里奈さん(梨花大在学中)は10年前、オリニとしてジャンボリーに参加し、昨年の第6回オリニジャンボリーにはリーダーを務めた。
民団栃木(金一雄団長)では7日、宇都宮市内のホテルに集まった民団新年会参加者120人が新成人4人を祝福した。同じく民団千葉(卞鐘彦団長)でも9日、市内のホテルに羅瑞穂さんただ一人を迎えての成人式となったが、200人以上の参加者から祝福され、笑顔を浮かべていた。
民団滋賀(具滋源団長)では9日、4人の新成人の前途を祝った。金優香さん(大谷女子短期大学2年)は02年オリニジャンボリー参加者の一人。「自分は韓国人だから日本の成人式にも当然チョゴリで参加します」と笑った。新成人を代表して李美姫さんが「韓日の交流に精進していく」と決意を述べた。
(2011.1.12 民団新聞)