二・八精神を継承組織整備・拡大誓う
青年会中央本部(朴善貴会長)と学生会中央本部(金重伸会長)は6日、東京・南麻布の韓国中央会館で「二・八独立宣言」第92周年記念式典を開き、若き志士たちの崇高な精神と運動理念を継承していくことを誓いあった。式典には関東地区を中心に各地から同胞の青年と学生70人が集まった。
1919年、東京・神田の朝鮮基督教会館で留学生600人が決起した二・八独立運動は、その後の三・一独立運動ばかりか東アジア一帯に広がった抗日運動の契機となり、今日まで民族運動の金字塔と称えられている。青年会中央本部会長当時にゆかりの在日韓国YMCA会館玄関前に記念碑を建立した民団中央本部の林三鎬副団長は、「自らの立ち位置を知り、青年組織を整備・拡大していくことこそ、二・八精神を現代に生かす道」と激励した。
この後、学生会中央本部の鄭昇栄副会長と鄭允枝組織部長が、敵国の首都・東京で600人を集めた組織性、命を賭した献身性、独立宣言書に込められた進取性について解説、その精神と意義を参加者一同で共有した。
最後に青年会東京本部の孫 喜企画事業部長が独立宣言文を朗読した。
在日をどう生きる…白熱の模擬国会
「通称名撤廃」成立、「兵役義務化」は廃案
式典の第2部では「在日韓国人青年・学生国会」を開き、在日韓国人青年の軍隊入隊の即時義務化と韓国籍の在日韓国人を対象とした通称名使用禁止法案の2法案を論議した。法案提出にあたって「首相」から趣旨説明があり、賛否双方の立場からそれぞれ意見を述べ合うという方法を取り入れたが、「国会審議」そのものは白熱したガチンコ討論となった。
兵役義務については事前の態度表明では反対派が上回ったが、議場での勢いは賛成派のほうが若干、上回っていた。賛成派は来年からの選挙権行使を「国民の権利」ととらえ、「義務」も果たそうと主張。「草食系」から「肉食系」に変わる契機になると述べると、反対派からも共感の拍手が起きた。
一方、反対派の論理は「20代の貴重な時間が奪われる」「在日韓国人の日本国籍取得をあおり、逆に弱体化につながる」というもの。投票の結果、賛成17、反対33で同法案は廃案となった。
通称名を禁じたもう一本の法案は、審議開始を前に数的に賛成派が反対派を圧倒したため、早々と成立するものと見込まれた。だが、反対派の抵抗も根強かった。
東京都選挙区選出の高郁実議員は、「『ウクシル』と『イクミ』のどちらも生まれたときから自分と一緒に育ってきた大事な自分。どちらも否定できない」と強調した。なかには、「創氏改名という辛い歴史を忘れないためにも、通称名を捨てるのは忍びない」という意見もあった。最終的に法案は成立したが、反対意見も思いのほか目立った。
(2011.2.9 民団新聞)