在日医師会が名取市で医療支援…7月末まで継続
在日韓国人医師会(そ、66)は宮城県名取市に毎週土日、東京から3人の医師を派遣し、避難所で医療支援活動を展開している。民団中央対策本部の支援で実現した。
医療支援活動は今月16日から始まった。会長を中心に医師会メンバー3人がチームを組み、名取市と名取市医師会(丹野尚昭会長)の要請をより、土・日曜日の両日、名取市内の避難所を回っている。
市内の小・中学校や公民館には11カ所の避難所が設けられ、16日現在、1319人が避難生活を送っている。16、17の両日はこのうち5カ所を回り40人以上を診療した。メンバー3人のうち会長と秦基洪医師(62、埼玉・三郷医院)が小児科と内科、小田治範医師(56、東京・小田クリニック)が消化器外科と内科。
会長と秦医師の2人は避難所で子どもの姿を見ると、「温かいものを食べているか」と声をかけ、健康の優れないと見られるお年寄りに積極的に聴診器をあてた。小田医師も時間をかけて避難所の隅々まで見て回り、一人ひとり丁寧に問診を繰り返して歩いた。
3人とも不自由な生活を強いられている住民にそっと寄り添うという姿勢で、住民に好感を持って迎えられていた。山梨から応援に来ていたある保健師は、在日医師会の奉仕活動に、「先生がたに話を聞いてもらい、一言声をかけてもらえただけで安心している。ほんとうにありがたい」と話していた。
小田医師は「医療に大事なのはスキンシップ」という。秦医師も「避難所生活での精神的なストレスは計り知れない。患者に話しかけて、少しでも不安を取り除いてあげたい」と声かけを重視していた。会長は、「地元の医師は忙しい。その隙間をぬって、われわれは患者と親密な関係を構築していきたい」と話していた。
名取市医師会の丹野会長は、「瞬間風速的な応援でもありがたいのに、毎週継続して来てくれるのがなにより」と喜んでいる。在日医師会の医療奉仕活動は、避難民が仮設住宅に移る7月末まで継続する。会長によれば、医療奉仕を希望しているメンバーはすでに10人を超えているという。
(2011.4.21)