トック、プルコギ丼、コムタン…
東日本大震災の檄甚地区で韓国料理の炊き出しが続いている。岩手県山田町では24日、民団岩手本部(金盛義団長)がトック300食、宮城県南三陸町でも青年会中央本部(朴善貴会長)などが16日、プルコギ丼やコムタンなど1500食を提供した。いずれも民団中央対策本部(本部長=鄭進中央団長)が支援している。
岩手県山田町
民団岩手本部は24日、避難所3カ所を抱える山田町でトックのほか、豚キムチ炒め、カクテキ、韓国海苔、ライス300食を振る舞った。婦人会岩手本部(韓桂子会長)と、岩手韓国商工会議所(李太炯会長)が協力した。
ここは崔在淳さん(民団東部支部元支団長)がレストランを経営していた地域。子息経営の店ともども津波で流されたが、自分のことより他の被災者を励ますのが先と、炊き出しを計画した。お菓子セットも300袋配った。子どもたちも久方ぶりに笑顔たっぷり。
この日の炊き出しには津波で町内の遊技場を全壊した金分一郎さんも駆けつけ、4人の家族総出で手伝った。
宮城県南三陸町
宮城県南三陸町の避難所「ベイサイドアリーナ」でも16日、青年会宮城本部(梁祐宗会長)と青年会中央本部が、プルコギ丼のほかコムタン、キムチなど1500食を提供した。在日韓国留学生連合会(申扶憲会長)と「日韓チーム次世代」(昨年、青年会中央本部と「韓日在日架け橋フェスタ」を開催した日本人青年グループ)の有志も応援に駆けつけた。
温かい料理に、避難者らは「おいしい」「ありがとうございます」と喜び、「夜食用にもう一杯」と持っていく高校生も。炊き出しは避難所の外で行われたが、建物の中で、外に出られない高齢者らにも手渡し、喜ばれた。
梁県本部会長は「全国から青年たちが集まってくれたことはとてもありがたかった。少しでも被災者が元気になってくれたらうれしい。復興にかかる時間は長く、今回の炊き出しだけで終わらず、支援活動を継続していかなければ」と述べた。
朴中央会長も「炊き出しに携われたことは、参加者にとっても貴重な経験になったはず。これからも、継続して支援の輪を広げていきたい」と明らかにした。
28日には民団宮城本部(李根団長)が、岩沼市民会館で500人分の炊き出しを予定している。
(2011.4.27 民団新聞)