「ビビンパは初めての韓国料理。とても美味しい。キムチとワカメスープも最高。次はチゲを食べてみたいし、いつか、韓国に食べ歩きに行ってみたい」
福島県いわき市の避難所で、民団が行った炊き出しを味わってもらした60代女性の言葉だ。
震災から2カ月。民団では「対策本部」を設置し、被災地で物資提供や炊き出しなどの救援活動を展開してきた。
避難所には連日、各地から炊き出し隊のボランティアが駆け付けたが、多くが定番の豚汁やカレーライスだったようだ。
民団では親子丼、そばなどの和食も含んだが、ユッケジャン、トック、コムタン、キムパ、プルコギ、チヂミ等々、占めたのはやはり韓食。もちろんキムチは欠かさない。これぞ民団版炊き出しの定番メニューだ。
韓流ドラマ「チャングム」の影響もあってか、避難者の多くが韓国料理に興味を寄せていた。色とりどり、数種のナムルが盛りつけられ、その美しさが食欲を増す。機内食世界一でもあり、学校給食でも子どもたちに人気のビビンパ。
「今まで食べた中で一番美味しい」と2杯3杯とおかわりする避難者に負けじと、「もっと辛いのがいい!」とコチュジャンたっぷりを混ぜ混ぜし、激辛に耐え続け今にも涙しそうなやんちゃ坊主の顔を見ると何とも微笑ましい。
被災地をはじめ各界各所で復興スローガンが掲げられている。最も目につくのが「がんばろう! 日本」。
そういえば、いわき市に繰り出した民団炊き出し隊のスローガンは「ビビンパ食べて、がんばっぺ!」だっぺ!(Z)
(2011.5.11 民団新聞)