【奈良】在日韓国人3世の金亜民さん(25、生駒市)が、奈良県教育委員会の2011年度小学校教員採用試験に合格した。奈良教育大学教育学部で学び、同大学院在学中に教員採用試験に挑戦。教員になるのは中学生時代からの夢だったという。奈良県で外国籍者が教員として合格したのは金さんが2人目。父親の潤哲さんは現在、民団生駒支部の支団長を務める。
外国籍2人目…「違い尊重しあえる子に」
採用は4月1日付。生駒市立壱分小学校(柳田富恵校長、児童数922人)に配属された。
幼少時から生駒オリニ会(奈良・在日外国人保護者の会生駒主催)に通い、あたりまえに本名で過ごしてきた。奈良・在日外国人保護者の会のオリニサマーキャンプでは県内各地に散在する同胞の友だちに囲まれ、民族的アイデンティティを育んだ。
大学生になっても「ゲストティーチャー」として近隣の学校を訪問して日本人の児童生徒たちと交流、また、出身のオリニ会にも関わり、教員になる夢をさらに強くしていった。
修士論文のテーマは、「日本の学校におけるエスニック・マイノリティの教育者」。金さんは、「自身の出自をありのままに活かし、子どもたちが自尊感情を育み、一人ひとりのちがいを尊重しあい、自分も相手も大切にできる優しい気持ちを育てていきたい」と話す。
柳田校長は、「金亜民先生には、なにごとにも動じない底力のようなものを感じています。教師の仕事は日々忙しい。心の切り替えをして自分自身の楽しみも見つけ、子どもたちと接していってほしい」と期待をかけている。
(2011.5.25 民団新聞)