定期大会で静かな共感
「青年会を終えたら、次は各地の民団で出世争いしていこう」。2月の青年会第33回定期中央大会席上、会長として2年間の任期を終えた朴善貴さん(34)が後輩に託したお別れのメッセージが静かな共感を呼び起こしている。
青年会中央会長を歴任したあるOBは、「会場全体に一体感というか共感がみなぎっていた。僕らのころは「『次は民団で』みたいな雄叫びはなかった」と羨望のまなざしを向けていた。
朴さんは壇上に上がると、自然と「次は民団でやらなければ」との思いでいっぱいになった。その決意が「それぞれの出身地の民団で切磋琢磨していこう」との呼びかけにつながった。
青年会京都本部の会長を全うして上京。青年会中央本部に常勤し、副会長、会長職を歴任した。この4年間、中央から地方を見てきて「中央と地方の違いがよくわかった。地方で活動することがいかに大事で尊いことか、いまになってしみじみわかった」という。
青年会中央出身者で民団の役職に就いている例は珍しいことではない。しかし、ここ10年前後は目立った動きが見られない。これについて、朴さんはお互いに問題があると指摘している。
「入る側」には自分から売り込む積極性が欠け、「入れる側」は「三顧の礼」とは言わないが手をさしのべるくらいの配慮がほしいとの注文だ。
民団が抱えている課題についても一家言を持つ。「民団がかつてのような求心力を回復しようとすれば、一般の団員が民団からサービスを受けられるようなインフラの整備を急ぐ。優先順位はオリニ教育と同胞老人福祉。地元の民団から求められれば、みんなと一緒になって汗を流してみたい」と心に決めている。
(2012.3.28 民団新聞)